コカインを使用した麻薬取締法違反の罪で起訴され、4日に保釈されたテクノ音楽ユニット「電気グルーヴ」のメンバーで俳優のピエール瀧被告(51)が出演する映画「麻雀放浪記2020」(斎藤工主演)が5日、公開された。瀧被告が出演するドラマや映画が撮り直しなどさまざまな被害を受ける中、同作はノーカットでの公開を決定。これが他の出演作品にどのような影響を及ぼすか関係者は気をもんでいる。

 その一つが映画「居眠り磐音」(5月17日公開)だ。瀧被告は、物語のキーマンである関前藩国家老・宍戸文六を演じていたが、出演シーンをカット。代役に奥田瑛二(69)を起用して撮り直すことになった。公開は予定通りだ。

 4日、都内で行われた「居眠り――」の公開前プレミアイベントには主演の松坂桃李、Wヒロインを務める木村文乃と芳根京子ら主要キャストが出席。松坂が「皆さまの応援と支えで、無事に公開されます」と感謝すれば、本木克英監督も「思わぬことでご心配をかけることになりましたが、撮影のメドも立ちました。奥田瑛二さんに心より感謝します」などと話した。

 瀧被告に限らず、日本の芸能界は俳優の不祥事に左右されてきた。それだけに「居眠り――」と「麻雀――」の、それぞれの興行収入は映画関係者の間で注目されているという。

「公開中止になったら損害は膨大ですが、公開してもし興収が良ければ、不祥事で影響を受けることは減るかもしれません」とは芸能プロ関係者。

 一方で、安易な公開に慎重な声もある。

「瀧被告がこれから裁判で何を話すのか分からない。世間から“甘い”と思われる言動をしたら、映画会社にも批判の矛先が向くかもしれない」(映画配給スタッフ)

 ノーカット公開がどんな結果を出すのか、関係者は固唾をのんで見守ることになる。