ファイナルファンタジーの天野喜孝氏 ゲームキャラとアニメの違いを説明

2019年04月02日 21時05分

天野喜孝氏

 人気ゲーム「ファイナルファンタジー(FF)」シリーズのキャラクターデザインで知られる天野喜孝氏(67)が2日、東京・千代田区の「3331 Arts Chiyoda」で行われた展覧会「ラフ∞絵」(16日まで)の開会式に出席した。

 同展覧会はタツノコプロOBで、アニメ制作会社「ぴえろ」の創業者である布川ゆうじ氏(72)が音頭を取り、いずれもタツノコプロ出身の大河原邦男氏(71=機動戦士ガンダム)らが参加。ラフ絵を提供したほか、お互いがお互いの作品に描くという企画にも挑戦している。

 緻密で幻想的な作風が世界で高く評価されている天野氏は、FFのラフ絵のほかデビッド・ボウイさんのスケッチ画、ガンダムの油絵、オリジナル大作「イブ」を展示。

「大河原さんと一緒にガッチャマンやヤッターマンをやっていた。懐かしいなあ」と昔を振り返りながら「ゲームのキャラクターは、アニメと違って丁寧に書かなくていい。かなり、はしょっている。清書して薄めるよりは、ラフの濃いまま落とし込んだほうが、良くなるかなとやっていた」とアニメとゲームの違いを説明した。

 依頼された物だけを形にし、締め切り前にきちんと納品する職人肌の大河原氏と違い、天野氏は発表するしないを決めないで作品に取り掛かることが少なくなかった。

「アニメばかりだと、だんだん飽きてくる。新しい物は依頼されないので、ちょっと描いてみようかと、まずは自分の興味あることをやる。それが仕事につながったというのが今の状況」という。

 今回は会場の大きなスペースを生かし、オリジナル作品「イブ」を完成させた。「2年くらい前からラフを描いていたが、このスペースを見て大きな作品を発表しようと完成させた。展覧会がないと完成していなかった。今後は大きい作品をやりたい」。制作意欲はまだまだ尽きないようだ。

 また、布川氏は「一昨年末に、タツノコプロの仲間で集まり、ボードを用意して彼らにラフ絵を描いてもらった。彼らがささっと描いた作品があまりに素晴らしく、完成する前のラフ絵を展示したら面白い展覧会になるのではと、1年余りかけて完成にこぎつけた。1500点のラフ絵、このような企画は日本で初めてではないか。最近はタブレットで描く時代になっているが、鉛筆で書いた躍動感のある力強い線を体感してもらいたい」と、開催の経緯を語った。

 参加した4人はライングループで通じており、それぞれが作品を見せ合いながら制作意欲をかきたて、真剣モードになっていったという。