大河原邦男氏 タツノコプロ入社時は「何も知らないままデザイン」

2019年04月02日 21時06分

大河原邦男氏

 7日に40周年を迎える「機動戦士ガンダム」のモビルスーツをデザインしたメカニックデザイナー・大河原邦男氏(71)が2日、東京・千代田区の「3331 Arts Chiyoda」で行われた展覧会「ラフ∞絵」(16日まで)の開会式に出席した。

 大河原氏は1972年のこの日、名門・タツノコプロに初出社。背景担当の部署に配属されたが、上司の推薦で入社わずか3~4か月にして秋の新番組「科学忍者戦隊ガッチャマン」に回された。

「アニメや漫画に全く興味がなかった。何も知らないままデザインをさせてもらった。ガッチャマンのタイトルロゴは鳥が飛んでいるイメージで作り、一発OKをもらった。本来は番組が終わったら背景に戻るという約束だったが たまたま人気になって2年間105本放映された。次にタイムボカンシリーズが始まり、やはり105本続いた。ギャグ物に戸惑いながらも、見よう見まねで仕事を覚えた。今年で仕事を始めて48年目となるが、ありがたいことに何本か仕事を抱えている」

 ロボットアニメの世界に革命をもたらした天才は、現在も世界で引っ張りダコだ。3月6日からは中国の杭州で巡回展が行われており、6~7メートルのガンダムや4メートルのボトムズなど、10体が飾られている。大河原氏は「10連休に暇があったら、ぜひ行ってください」と呼びかけた。

「ラフ∞絵」はタツノコプロOBで、アニメ制作会社「ぴえろ」の創業者である布川ゆうじ氏(72)が音頭を取り、いずれもタツノコプロ出身の大河原氏、秋本治氏(66)、天野喜孝氏(67)、高田明美氏(64)が参加。ラフ絵を提供したほか、お互いがお互いの作品を描くという企画にも挑戦している。

 大河原氏は「私がほかの3人と違うのは、アーティストではなくて職人だということ。オファーがあって初めて絵を描く。ここに飾っている物は、制作プロに見せて日の目を見なかった作品。1970~80年代は、企画の7割が放映されていたいい時代だった。今はほとんど放映に結びつかない」と説明した。

 絵だけではなく、プラモデルなどが展示されているのが、大河原氏のブースの特徴。「絵はあまり自慢できないので、私はお3人にはできない物づくりに力を注いだ」という。

 最後に「他のアーティストの絵をいじらせてもらう機会はめったにない。クリィミーマミで、ハートやリボンを描いたのは楽しかった。何年か前にタツノコからプリパラの仕事がきたが、普段はやらないので」と笑みを浮かべた。