黒沢清監督「スパイの妻」 米アカデミー賞獲得の現実性は…

2020年09月14日 11時00分

「スパイの妻」はベネチア国際映画祭の銀獅子賞(ロイター)

 第77回ベネチア国際映画祭の授賞式が12日(日本時間13日)に行われ、黒沢清監督(65)が「スパイの妻」(10月16日公開)でコンペティション部門の銀獅子賞(監督賞)に選ばれた。

 同賞には審査員大賞と監督賞があり、最高賞の金獅子賞に次ぐ栄誉。日本人として同賞受賞は「座頭市」(2003年)の北野武監督以来、17年ぶりの快挙となる。黒沢監督はビデオメッセージで「今、大変驚いています。それと言葉では言い尽くせない喜びも感じています。皆さまに感謝をささげたい」。

 同映画に出演した蒼井優は13日、「たくさんの映画仲間から連絡が入り、みんなとても興奮し、感動し、喜んでいます」、共演の高橋一生は「この作品が世界で評価されることをうれしく思います。これからも素晴らしい作品を楽しみにしております」とそれぞれコメントした。ちなみに東出昌大も出演している。

 銀獅子賞受賞により、映画界の最高峰と言われる米アカデミー賞に弾みをつけた格好だが、そう簡単にはいかなそうだ。アカデミー賞で日本勢が狙う国際長編映画賞(元外国語映画賞)のような国際映画賞は、米国で公開されない作品も候補に入る。ただ映画ライターによれば、「スパイの妻」が同賞候補入りの条件を満たすかは「微妙」という。

「作品自体が、NHKのBS8Kで6月にすでに放送され、それを劇場用に再編したものだからね。また作品をDVDにしてしまうと候補から除外される。今回の銀獅子賞受賞で早くやりたいDVDのリリースを、アカデミー賞を狙うならば遅らせないといけなくなるし」(前同)

 アカデミー賞に向けて期待は高まる一方だが…。