日本初! 芸能マネジャーが映画監督を務める“異色の作品”が完成した。今秋公開予定の映画「実りゆく」(新宿武蔵野館ほか)の脚本・監督を務めるのは、芸能事務所「タイタン」のマネジャー・八木順一朗氏(31)だ。

 八木監督は怪獣映画好きが高じて、中学2年生の時に家庭用ハンディーカムで初めて映画を制作。高校卒業までに13本の映画を作った。その後は日本大学芸術学部映画学科を卒業し、同社マネジャーとして、お笑いコンビ「爆笑問題」を担当するなどしたが、映画への情熱は熱く、2018年に「第3回MI―CAN 未完成映画予告編大賞」にて、監督作「実りゆく長野」が堤幸彦賞を受賞し、このたび念願の初の商業映画デビューとなった。

 映画は長野県のリンゴ農家の後取りとして生まれた実(みのる)が主人公。母親の死後、父親と2人で農園を切り盛りする実は、週末になると東京へと通い、お笑いライブに出演していた。リンゴ作りの傍ら、夢に突き進む実には「母親の死後、笑わなくなった父親を笑顔にしたい」という強烈な思いが…。普遍的な親子の愛を描いた物語となっている。

 主役を務めるのは、お笑い界で生きのいい世代として注目される“第7世代”に属する若手漫才コンビ「まんじゅう大帝国」の竹内一希(25)。八木監督がマネジメントを担当するタレントで、「未完成映画予告編大賞」は「男優賞」を獲得するなど、俳優としての素質も注目されている。脇を固めるキャストも田中要次、三浦貴大、鉢嶺杏奈、小野真弓、島田秀平と豪華。さらに所属事務所の「爆笑問題」も特別出演する。

 八木監督は「私は、この映画に、真っすぐ愛情を込めました。映画への愛、リンゴへの愛、そして、共に作品を作り上げてくれたスタッフさんや役者さんへの愛。その想いは、必ずや見る人へ届くと信じています。どうか“実りゆく”映画に、ご期待ください」と主役・実に、自分を重ね合わせる。主役を務める竹内は「映画の主演をやることになる人生だとは思ってもみませんでした。この映画を撮るにあたり、たくさんの方々に支えていただき、感謝の気持ちでいっぱいです! 今、僕の持っている力をすべて出しました! ぜひ、ご覧ください!」と意気込んだ。

 この異色作が日本映画界に一石を投じることになるか。