「第74回毎日映画コンクール」が13日、神奈川県川崎市内で行われ、映画「蜂蜜と遠雷」で天才ピアニスト役を熱演した鈴鹿央士(20)が、スポニチグランプリ新人賞を受賞した。

 オーディションを勝ち抜き、デビュー作で映画賞総なめの快挙を果たしたが「えーと、そうですね、本当に正直なところを言うと何も考えずに来て、何をしゃべろうか決めてない。多分おわかりでしょうけど」と、登壇するや天然ぶりを発揮。

「映画はいい大人たちが真剣に一つの作品に向かい合って、いい作品を作るもの。そんな姿が格好良くて、そんな大人になりたいなと思っている今日このごろ」と人ごとのようにつぶやき、笑いを誘った。

 高校2年だった2016年、映画「先生!、、、好きになってもいいですか?」のロケが偶然、学校で行われた。エキストラとして参加したところ、出演者の広瀬すず(21)の目に留まり、事務所にスカウトされた。

 鈴鹿は「僕が通ってた高校に撮影で来られて、友達と『芸能人見るぞ』と見に行って、こんなに顔が整って小っちゃくて宇宙人みたいな人いるんだなと思った。岡山の田舎に住んでいて、まさか自分が芸能人になるとは思わなかった。別の世界だと思っていた。いま芸能人になってるのかな」と振り返る。

 広瀬には先日、たまたま事務所で顔を合わせた。受賞を伝えると「すごいね。おめでとうございます」と言われてうれしかったという。

 最後は「上り坂も下り坂も壁もかかってこいやという感じ。両足突っ込んじゃったので、やるからには必死にやる」とやる気を見せた。幼さを感じさせる端正な顔立ちに、つかみどころのないキャラクターが魅力的で、今後の快進撃が期待される。