慰安婦問題テーマの映画「主戦場」映画祭で上映見送り 出演者が“告発”「黒幕いる!」

2019年10月30日 11時00分

黒幕の存在を語る藤岡氏

 川崎市で11月4日まで開催中の「KAWASAKIしんゆり映画祭」が、慰安婦問題をテーマにしたドキュメンタリー映画「主戦場」(ミキ・デザキ監督)の上映をいったんは予定しながら、見送っていたことが28日、分かった。“出演者”の一部が上映中止などを求めて提訴していることを踏まえ、川崎市が懸念を伝えていた。また、その出演者たちが先日、シンポジウムを開き、デザキ氏の後ろにいる“黒幕”の存在を明らかにした。

 映画祭はNPO法人「KAWASAKIアーツ」が主催し、事務局を運営。川崎市は共催として、約1300万円の費用のうち約600万円を負担している。

 映画の配給会社によると、6月10日に映画祭事務局から「『主戦場』を上映したい」との連絡があり、8月5日午前に上映申込書が提出された。だが、同日午後になって「『映画祭や市が、出演者の一部から訴えられる可能性がある作品を上映するのはどうか』と川崎市に言われた」と連絡があり、9月に上映見送りの文書が届いたという。

 映画祭の中山周治代表は「運営のほぼ全てをボランティアが行っており、安全面や運営面のリスクを考えて判断した。忖度したと取られても仕方がないが、税金が使われている映画祭なので、民間の劇場とは違う判断をせざるを得なかった」と話している。

 先日、都内で「詐欺映画『主戦場』を糾弾する!」と題したシンポジウムが開催され、上映中止を求めて提訴している教育研究者の藤岡信勝氏らが講演を行った。

 当時、留学生で上智大学院生のデザキ氏が「公正性かつ中立性を守りながら、ドキュメンタリーを作成し、卒業プロジェクトとして大学に提出する予定です」として、藤岡氏ら保守系論客8人に取材した。

 ところが商業上映され、発言は切り貼りされ、テロップで「性差別主義者」「歴史修正主義者」など極端な思想の持ち主であるかのようにレッテル貼りされたという。

 藤岡氏は「デザキ氏は我々に無償での取材依頼をしてきたが、なぜか承諾書へのサインを求めてきた。つまり、初めから商業映画を作ることを目的としていた」と言う。

 承諾書には「製作者またはその指定する者が、日本国内外において永久的に本映画を配給・上映または展示・公共に送信し…」などと書かれており、藤岡氏はサインを拒否。すると、デザキ氏から「指導教官と話しましたところ、藤岡先生の出演部分が中核を占めるので、承諾書へのサインなしには、ドキュメンタリーへの製作着手が難しいと言われました」とのメール。

 藤岡氏は「(撮影した素材を)撮影時の文脈から離れて不当に使用したり、他の映画等の作成に使用することがないことに同意する」の合意書を出した。しかし、後に合意書とは真逆の中身で商業映画として公開された。

「メールで分かるように、主導しているのは指導教官で、デザキ氏はただのコマ。デザキ氏の卒論といいながら、指導教官の組織的なプロジェクトだった。その指導教官は安全保障関連法案反対派の学生団体『SEALDs』の黒幕でもある。その教官が関わっていると分かっていたら、取材を受けなかった。卒論だというから、上智大学の研究倫理を信じ、善意で取材を受けてしまった」と藤岡氏。また、「主戦場」というタイトルについて、藤岡氏は「慰安婦問題のこれからの主戦場はアメリカということなんです」と指摘。米国で“従軍慰安婦”を広めていくためだという。

 米国の評論家「テキサス親父」ことトニー・マラーノ氏はビデオメッセージで「問題なのは、米国の大学で次々に無料上映されていること。米国の大学はリベラリズムの温床で、そこにフェイクメンタリー(フェイクとドキュメンタリーの造語)という毒を打ち込んでいる。学生は何十年後に政治、マスコミ界のリーダーとなるんだから、その彼らが日本に悪い印象を持つことになってしまう」と語っている。