日本映画界の巨匠で大人気シリーズ「男はつらいよ」の山田洋次監督(88)が3日、日本外国特派員協会で最新作「男はつらいよ お帰り 寅さん」(12月27日公開)について語った。

 同作は記念すべきシリーズ50作目で、くるまやの面々の今を新たに描く映像と4Kデジタルでよみがえった過去作品の寅さんが絶妙にコラボしている。

 山田監督も初めての試みとあって、「どんな映画になるのか不安と期待があった」そうだが、完成を見て「この映画を作るために(第1作からの)50年の歳月が必要だったんだな」と納得の仕上がりになっているという。

 過去の50作で一番大変だった作品を聞かれると、主演の渥美清さんの遺作となった48作目の「男はつらいよ 寅次郎紅の花」を挙げ、「渥美さんの体調がかなり悪くなっていく中で、このまま続けていいのかなと思いながら渥美さんに合わせて脚本を作った」と当時を振り返った。

 88歳の今、今後の監督人生について聞かれると「困ったな」と苦笑いしつつ、「米国にはクリント・イーストウッドという人がいるから、頑張ろうと思っています」。1歳年上の世界的巨匠の名前を挙げ、まだまだ現役をアピールした。