エルトン・ジョン半生映画は新たな金脈となるか

2019年06月11日 11時00分

エルトン・ジョン(ロイター)

 クイーンの次はエルトン・ジョン(72)だ――。英国の天才的音楽アーティスト、エルトンの半生を描いたミュージック・エンターテインメント映画「ロケットマン」が世界各国で封切られ「昨年の世界的大ヒット作『ボヘミアン・ラプソディ』に続け!」とばかりに期待されている。すでに約10日前に公開された全米では大ヒット。レジェンドたちの半生を物語にした映画は新たな金脈となる!?

「大ヒット間違いありません。今後、各国で続々公開されるので『ボヘミアン――』に並ぶ作品になるかも」と興奮するのは映画関係者だ。

 米誌「バラエティ」によると、先月31日に全米で公開され、オープニング2日間だけの興行収入は2500万ドル(約27億円)。ひと足早く封切られた英国などと合わせると5600万ドル(約60億円)を突破し、すでに製作費4000万ドル(約43億円)を上回った。さらに先週末で大幅な上積みは確実とみられる。

 今回、注目のエルトン役に大抜てきされたのは英若手俳優タロン・エガートン(29)だ。

「エルトン本人をして『タロンほどうまく僕の歌を歌いこなす人を知らない』と言わしめるほど歌唱力も本物です」(同関係者)

 撮影にあたりタロンは本格的なボイスレッスンを受け、エルトンの楽曲をすべて吹き替えなしで歌いきった。その出来栄えも映画の大きな見どころとなっている。先月のカンヌ国際映画祭で世界に先駆けプレミア上映され、その後パーティー会場ではエルトンとタロンがステージに登場。エルトンのピアノでタロンが映画さながら「ロケットマン」を披露して、観客を魅了した。

「ボヘミアン――」でもラミ・マレック演じるフレディ・マーキュリーの激似ぶりが話題になったが、今回の作品は同作との共通点が多い。

「監督は『ボヘミアン――』で製作総指揮を務めたデクスター・フレッチャーです。作品のハイライトは同作でもそうだったように、伝説として語り継がれるライブコンサートになっているんですよ」(同関係者)

 それは、1975年に10万人のエルトンファンが米ロサンゼルスのドジャー・スタジアムを埋め尽くし、熱狂した音楽史に残る公演の再現だ。ドジャースのユニホームをアレンジしたド派手なキラキラコスチュームに身を包んだエルトンは、本作のタイトルにもなっている「ロケットマン」を含む数々のヒット曲を熱唱した。

 また、エルトンと50年以上にわたり二人三脚で名曲を作り続けてきたバーニー・トーピンとの友情にもスポットライトを当てる。実はエルトンの楽曲のほぼすべてはバーニーが歌詞を書き、エルトンが作曲したものだ。本作では、これまであまり知られていない2人の関係が描かれているが、「ボヘミアン――」でもフレディの最後のパートナー、ジム・ハットンとの知られざる関係が映画の肝になっている。

 映画ライターはこう指摘する。

「昨年、レディー・ガガの『アリー/スター誕生』も公開されましたが、レジェンドアーティストの半生を描いた映画が新たな市場になりつつあるんですよ。今、映画界はネタ枯れで青息吐息。世界中で大ヒットした『ボヘミアン――』の、2匹目のどじょうを狙っているというわけです」

 エルトンといえば、92年英ウェンブリー・スタジアムで行われた「フレディ・マーキュリー追悼コンサート」で、まさに「ボヘミアン・ラプソディ」を熱唱しただけに、何ともフレディとの縁は深い。さまざまな共通点は果たして吉と出るのか。日本では8月23日に全国で公開される。