お笑いコンビ「チャド・マレーン」のチャド・マレーン(39)、女優の佐伯日菜子(42)、奥山大史監督(23)が8日、東京・千代田区の日本外国特派員協会で、映画「僕はイエス様が嫌い」(31日公開)の記者会見に出席した。

 同作はミッション系の学校に転校した少年ユラが、お祈り中に願いごとを必ずかなえてくれる小さなイエス様に出会い、イエス様の持つ力を信じるようになる物語。

 会見で佐伯が「初めて脚本を読んだときに3回泣いた」とマジメに答えるなか、芸人魂がうずいたチャドが積極的に笑いを取りにいく。しかし、登場するなり「どうも、イエス・キリストです。第2の故郷五反田からやって参りました!」と言い放って大スベリ。その後もことごとくボケてはスベってを繰り返す暴走ぶりで豪快に散った。

 そんなチャドの自爆っぷりを横で見ていたのが奥山監督だ。チャド起用の理由を「イエスという役を作ったときから決めていた。ちょっと頭のネジが抜けてる感じがいい!」と明かした。

 チャドをイエス役にするというのは、大胆なキャスティングと言えるが、実は同監督は新進気鋭として期待されているという。

「同作は青山学院大学在籍中に1人で監督、脚本、撮影、編集の4役をこなして製作された初の長編作。それもただ製作するだけじゃなく映画を商業ベースに乗せることを考えて、戦略的に海外の映画祭に出品したと聞きます。そのプロデュース能力に対する評価も高い。もちろん、是枝裕和監督が絶賛するほど作品のクオリティーは高く、日本の次世代を担う新進監督として認知度が高まっている」(映画関係者)

 昨年のスペイン・サンセバスチャン国際映画祭で最優秀新人監督賞を受賞するなど、複数の国際映画祭で賞を受賞し、すでに海外での評価はうなぎ上り。同監督の出世作となれば、チャドも世界的に注目されそうだ。