“あの事件”が追い風になる!? 人気俳優の松坂桃李(30)、女優の木村文乃(31)、芳根京子(22)らが6日、都内で行われた時代劇映画「居眠り磐音(いわね)」(17日公開、佐伯泰英原作)の完成披露試写会に登場した。同作には当初、コカインを使用し麻薬取締法違反の罪に問われているピエール瀧被告(52)が出演していたが、そんな事件・大騒動も「話題となったし、宣伝としてはむしろプラスなのでは」との声が出ているが――。

 松坂演じる主人公・坂崎磐音は昼間は鰻屋、夜は両替屋の用心棒として働く江戸の浪人。新貨幣をめぐる陰謀に巻き込まれながらも、悪に立ち向かう男の姿を描いた人気小説の映画化作品だ。

 まず松坂は「みなさんの応援と支えのおかげで完成披露まできました。本当にありがとうございます」とあいさつ。さらに「磐音は壮絶な過去、運命を背負う。その運命と向き合いながら、日々撮影に臨んでいました」と演じることへの重圧があったと明かした。

 磐音に恋心を寄せるおこん役を演じた木村も時代劇初挑戦。

「何もかも初めてでした。監督のアドバイスをいただいて、ちゃきちゃきのおこん役を演じられたと思います」

 磐音のいいなずけ、奈緒を演じた芳根は「プレッシャーはむちゃくちゃありました。課題がたくさんあって、素敵な雰囲気のスタッフさんに助けていただきました」。

 この作品は当初、瀧被告が出演していたが、代役に奥田瑛二(69)を立て再撮影を行った。大急ぎで再編集を行い、当初の予定通り、17日の公開にこぎつけた。

 思わぬトラブルに見舞われたが、実は同作には「松坂桃李の代表作にしたい」「長く続くシリーズものにしたい」という、並々ならぬ思いが込められているという。

「松坂は若手俳優の中でも3本の指に入る実力と人気がある売れっ子。その松坂を時代劇には定評がある老舗の映画会社・松竹が主役に起用した。原作も大ヒットシリーズということで、映画を何とかヒットさせて、続編、続々編と製作したい意向がある」(映画関係者)

 瀧被告が逮捕されたのは3月12日だが、その2日後の14日に松竹は、代役を立てて再撮影することを決めた。この素早い対応のウラにも、シリーズ化への意欲がある。

「ヒットしてシリーズ化されれば、テレビでも何度も放送される。その際、注目の1作目に瀧被告が出ていることで、テレビ放映に支障が出かねない。その辺を考慮したのでしょう」(同)

 ヒロインに木村、芳根が起用されたほか、柄本明、西村まさ彦、中村梅雀、石丸謙二郎ら豪華バイプレーヤー陣が揃った。共演に豪華な布陣を揃え、松坂を時代劇のニュースターにしようという狙いが見て取れる。

 そうしたなか、瀧被告の騒動も「現状では、宣伝にプラスに働いている」との見方もある。

「時代劇は若年層に宣伝しにくい部分があるが、瀧被告の騒動により、テレビや新聞、雑誌に映画が多く取り上げられた。決してマイナスではないでしょう」(テレビ局関係者)

「ピエール騒動」の“宣伝効果”で、松坂は時代劇のニュースターになれるか?