【映画大賞】たけし総括「コネが利かない、持ち回りしない…クリーンな映画祭と自負している」

2019年02月25日 16時40分

たけし

【たけし審査委員長の総括】東スポ映画大賞は、これで28回目。よく続いたなー。映画祭としては、コネが利かないというか、日本アカデミー賞のような持ち回りをしない、クリーンなものと自負している。

 毎回、司会のガダルカナル・タカは東スポ映画大賞のことを「たけしの独断と偏見で選んだ」と紹介しているけど、実際は10の映画祭のディレクターが投票してノミネートが行われているわけで、オレの意見は一切通らない。オレに賞金の出るときだけはオレが独断で選ぶけど(笑い)。

 今年度は日本の映画界にいいことがあった。是枝裕和監督の「万引き家族」がカンヌ国際映画祭のパルムドールを取った。是枝さんの映画の描き方がよく出てて、それを国際映画祭が選んでくれたというのが、ありがたいなーと思った。是枝監督は、ついに小津安二郎的な独特の技術を前面に出してきたなという感じがして、非常にうらやましく思ってる。

 オレも「菊次郎の夏」(1999年)をカンヌに出品して、パルムドールを取ったと思ったのに、そんときの審査委員長が「ザ・フライ」、“ハエ男”を撮ったデヴィッド・クローネンバーグ監督で、そいつが落としやがって、非常に腹が立ってる。まあ、それは冗談だけど。

 話を戻すと、企業は内部留保をたくさんため込んでるんだから、もうちょっと映画とかの文化的な事業にお金を出してほしい。かつて日本映画の黄金時代があって、黒澤明監督とか、海外の監督がマネするような作品がジャンジャンあったのに、ここんとこ、ずっとディズニーとかハリウッドに押され気味になってる。

 是枝さんの作品のように少ない予算でいい映画を撮る実力がある監督もいるんだから、大きな予算をくれないかと思う。オレも大河が終わったら時代劇を撮るから、お金をいっぱい出してくれるところを募集してる。エンターテインメントはお金をかければ、これだけ面白くなるんだぞってことをやってみたいからさ。今やってる監督や役者さんも、また日本映画の黄金時代を作るんだって気持ちで頑張ってほしい。

 あと、映画もそうだけど、お笑いというエンターテインメントも絶対になくならない。今は浮き沈みのサイクルが激しくて、この東スポ映画大賞で表彰しようかなと思ってる芸人がいても、表彰式の前にいなくなってしまってるという。なんか、芸人は1年というか、半年も持たなくなってる。それも今の時代を反映しているのかもしんないけど。

 そんなわけで、これからもこの東スポ映画大賞をもっとメジャーに成り上がらしてやる。こんだけいろんな分野を表彰するってのは東スポ映画大賞だけだからね。とにかく、どうにか舞台でしゃべれる限りは、続けていきたいと思ってる。来年もよろしくお願いします。