韓国の男性アイドルグループ「JYJ」元メンバーで、覚醒剤を使ったとして麻薬類管理法違反の罪に問われたパク・ユチョン被告(33)に、ソウル近郊の水原地裁は2日、懲役10月、保護観察付き執行猶予2年(求刑懲役1年6月)の有罪判決を言い渡した。薬物の使用に関する治療を受けることも命じた。

 地元ファンばかりか、傍聴希望の日本人女子の徹夜組が出たり、報道陣を威嚇する大柄な男たちが現れたりと、現場は異様な光景。法廷では茶色い囚人服姿だったユチョン被告は、閉廷後すぐスーツにノーネクタイ姿で勾留先の水原拘置所から釈放された。

 集結した日韓ファン数十人が涙ながらに声援を送る中、ユチョン被告は「これからは社会にたくさん奉仕しながら、一生懸命、正直に努力する」と約束。控訴するか聞かれても「正直に生きる」とだけ答えた。この「正直に」とは、逮捕前の言動を受けてのものとみられる。

 韓国大手乳製品メーカー創業者の孫娘で「ミルク姫」と呼ばれる元婚約者、ファン・ハナ被告(31=公判中)が先に捕まり、その供述から芋づる逮捕されるまでの約3週間、ユチョン被告はわざわざ会見を開き「決して麻薬を使っていない」と身の潔白を主張した。

 髪を染め直したり全身の毛を剃って警察の任意捜査に応じたが、脚のわずかな毛から、覚醒剤の陽性反応が出てアウトとなった。

 韓国芸能関係者は「東方神起から脱退し俳優業も始めたユチョンの一番人気作といえば、9年前の初主演ドラマ『トキメキ☆成均館スキャンダル』(KBS)。でも、涙まで流す名演技で世間を欺いたあの釈明会見こそ、新たな代表作だろう」と話している。