14日の「第69回NHK紅白歌合戦」の出場歌手発表会見後、NHK制作局エンターテインメント番組部の渋谷義人チーフプロデューサー(CP)が、今年の紅白選考について説明した。

 今回の会見で注目されたのは、韓流アイドルグループの「防弾少年団」(BTS)が出場するか否かだったが、結果的に落選した。

 紅白出場者の選考基準は、(1)今年の活躍(2)世論の支持(3)番組の企画・演出の3点を考慮して決定される。BTSは最近の世界的な活躍から出場を有力視されていたが、直前になって過去にメンバーが原爆Tシャツ、原爆ジャケット、ナチス帽を着用していたことが発覚して、世界中を敵に回しての大騒動に発展していた。

 歴史的背景を考えても、決して許されない行為。日本中で大批判が巻き起こり、結果的に世論の支持を集められなかったことは明白だが、渋谷CPはBTSの落選理由について「3点の選考基準に合っているかで判断した」の一点張り。

 韓国で徴用工問題が紅白選考に影響を与えていると報じられたことにも、「3点の選考基準に合っているかで判断した」と回答したが、さすがにこれでは収まらないと判断したのか、別のNHK局員が「総合的な判断としか言いにくい点がありまして…」と、バツが悪そうに助け舟を出す場面もあった。

 一方、サプライズ出場歌手についても言及。昨年はサザンオールスターズ、引退前最後の紅白となった安室奈美恵さんの名前を出して、サプライズ候補として交渉していることを明言していた。しかし、渋谷CPは「今年については具体名はなくて、今後、視聴者の要望の多い方に出演交渉することはある」と話すのみ。さらに「サプライズはあるかもしれないし、ないかもしれない」と最後まではぐらかし続けた。