原爆Tシャツやナチス帽を着用し、非難されている韓国の男性7人組グループ「防弾少年団(BTS)」が13日、東京ドームでコンサートツアーの初日を迎えた。会場外ではBTSを糾弾する団体と、それに対抗する団体が“衝突”。多数の警察官が出動する事態となった。同日夜にはBTSの所属事務所が一連の問題について謝罪コメントを発表したが、14日発表のNHK紅白歌合戦の出場歌手に名を連ねるのは絶望的な状況だ。楽しみにしていたファンからは「BTS(紅白)落ちた。日本死ね」とあのフレーズまで飛び出した。

 原爆Tシャツとナチス帽を着用していたことが発覚し、日米どころか全世界的に大炎上しているBTS。メンバーが沈黙を続けるなか、この日、コンサートツアーの初日公演が東京ドームで行われた。

 案の定、ドーム周辺では午前中から反韓を掲げる政治団体が街宣をかけ、シュプレヒコールを展開。夕方には会場近くの広場でBTSを糾弾する団体と、それに抗議する団体の関係者が対峙し、20人以上の警察官が駆けつける事態となった。

 この様子を間近で見ていたBTSファンの10代女性は「マジで引くんだけど~」とポツリ。一連のBTS問題については「いろいろあるのはわかるけど、私たちはBTSが好きなだけなんで!」と強調した。

 メンバーのジミンが原爆Tシャツを着たのは1年以上も前のこと。それが今になって蒸し返された背景には、先月30日に韓国の裁判所で元徴用工に対する日本企業の賠償責任を認める判決が出たことも影響している。

 その辺りの事情についても聞いたところ、別の10代女性は「ショーロンポー? えっ、チョーヨーコー? 知らない」と返答。ファンの間で日韓関係うんぬんは関係ないようだ。一方、ファン同士で「たきつけたのは日本のマスコミ」との共通認識が持たれており、取材拒否する人も多かった。

 コンサートではジミンが「このような状況なので、多くの皆さんが驚かれ、ご心配されたと思います。僕たちはこれからも会える機会がたくさんあると信じています」とスピーチ。その言葉に涙する女性ファンが後を絶たなかったという。

 同日夜にはBTSの所属事務所が一連の問題について「戦争や原爆に反対し、原爆投下の被害者を傷つける意図は全くない」「ナチスを含むすべての全体主義に反対し、こうした団体による被害者を傷つける意図も全くない」との声明を発表。

 また、BTSは当時、多忙な日程をこなしていたとし、責任はBTSを十分に支援できなかった同事務所にあると強調。今後は社会や歴史、文化的な背景を理解し「私たちのせいで心の傷を負う方がないよう注意していく」としている。現在、日本と韓国の被爆者団体に接触し、直接謝罪を伝える手続きを進めているという。

 ようやく全面謝罪という形で幕引きが図られそうだが、NHK内部に精通している芸能プロ関係者によれば「大みそかの紅白歌合戦に関しては絶望的だ」という。

 14日に出場歌手が発表されるが「その前日にBTSが謝罪したことで、NHK内では『これでみそぎは済んだ』として、出場させる可能性は10%くらいあるそうです。とはいえ、90%の確率でBTSの名前は入らない見込みだ」(前出関係者)。

 ガックリと肩を落とすのは、彼らのファンで、20代女性は「紅白で彼らのステージを見るのを楽しみに生きてきたのに…。あり得ない。日本はいつからそんな国になったんですか!」と肩を震わせた。

 隣の友人女性に至っては「BTS(紅白)落ちた。日本死ね」とバッサリ。略奪不倫疑惑で話題の山尾志桜里衆院議員(44)が2年前に待機児童問題を論ずる際に国会で取り上げた「保育園落ちた日本死ね」をほうふつとさせるワードで、怒りを表現した。

 取材して感じたのはファンの“BTS愛”。彼女たちがいる限り、たとえ今年の紅白に落選したとしても、BTSファンは減ることはないだろう。だが、今回の騒動により世間のイメージダウンは必至で、BTSに対して反感を持った者も多い。果たして彼らはこの難局を乗り越えられるだろうか――。