祝60周年!プレ黄金期これぞザ・ローリング・ストーンズ!!60年代の必聴アルバム厳選5枚を紹介

2022年07月31日 10時00分

「ザ・ローリング・ストーンズ」
「ザ・ローリング・ストーンズ」

 世界最高峰のロックバンド、ザ・ローリング・ストーンズは今年結成60周年を迎えた。昨年8月にドラマーの故チャーリー・ワッツさん(享年80)を亡くす悲しみを乗り越え、7月31日には60周年欧州ツアーも最終日を迎える。今週は60周年を祝い、本紙の文化部軽音楽研究室が独断と偏見で選んだ「60年代のお薦めアルバム5枚」をお届けします。未聴の方もコアなファンの方も、記念イヤーを機に改めて60年代のストーンズを聴いてみてはいかがでしょうか。 (発売日はいずれも英国オリジナル盤)

「ザ・ローリング・ストーンズ」(1964年4月17日=全英1位、全米11位)

 当時では異例だったが、ジャケットにはバンド名もタイトルも記されていない。ガラの悪そうな5人がスーツ姿で並んでいる。ジャケットは黒っぽいが、音はもっと真っ黒だ。ビートルズが米国R&Bを消化してハーモニーを加え再構築したのに対し、ストーンズはオリジナルを率直に解釈した。

 原曲を最新型エンジンを搭載した車に乗せてひたすらアクセルをベタ踏みしたような性急さに加え、音のザラつきを強調した攻撃性は、ほぼパンクの原型。歌詞もほとんどが乱暴に要約すれば「やりたい。やらせろ」。1曲目のチャック・ベリー・スタイルの「ルート66」が鳴り響いた瞬間、バンドの方向と未来は確定したのかもしれない。

 これからストーンズに入る方は、1stから聴いていただきたい。文句なしの名盤だ。

「アフターマス」

「アフターマス」(1966年4月15日=全英1位、全米2位)

 4枚目の英国オリジナルアルバム。ここからストーンズは新境地に突入する。初のミック・ジャガーとキース・リチャーズによる全曲オリジナル。ルーツである米国R&Bから解き放たれたかのように自由かつ実験的な作品が並ぶ。

 オープニングの「マザーズ・リトル・ヘルパー」は衝撃的。キースの12弦ギターによるシタールのようなアシッド・フォーク的な音は革命的だった。その他にも美しいバラード「レディ・ジェーン」、マリンバを使った「アンダー・マイ・サム」「アウト・オブ・タイム」など名曲揃いで故ブライアン・ジョーンズがマルチプレーヤーぶりを発揮している。バンド史上最長となるA面ラストの11分13秒に及ぶブルース「ゴーイン・ホーム」の後半の盛り上がりは興奮もの。バンドの新たな挑戦でもあった。

「サタニック・マジェスティーズ」

「サタニック・マジェスティーズ」(1967年12月8日=全英3位、全米2位)

 ストーンズ初のセルフプロデュース作にして60年代最大の問題作。サイケデリックな内容は、同年6月のザ・ビートルズの名作「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」へのアンサー的作品だったが「二番煎じ」「失敗作」と評価は厳しかった。

 だが時代の変遷とともに評価は変わった。前作の地味ながらアコースティックで叙情的な隠れた名盤「ビトゥイーン・ザ・バトンズ」(67年1月)の流れを踏襲した実験作というとらえ方もできる。とにかく佳曲が揃っているのだ。名曲「シーズ・ア・レインボウ」が入っているだけでも歴史的価値はあるし、冒頭の「魔王讃歌」から「魔王のお城」への流れはもはやプログレ。「イン・アナザー・ランド」「2000光年のかなたに」も名曲だ。賛否両論はあるだろうが、あえて失敗作という表現を避け「実験的名作」と断言したい。

「べガーズ・バンケット」

「べガーズ・バンケット」(1968年12月6日=全英3位、全米5位)

 世界最大のロックバンドが、いよいよ王道を歩み始めた起死回生の傑作。前作の不評を覆すべく68年5月にはストレートにカッコいいロックンロール「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」で全英1位を獲得。サイケ路線から王道のロックに回帰を果たす。

 本作は米国人の名プロデューサー、ジミー・ミラーを迎え、バンドは独特のグルーブとサウンドのうねりを生み出すようになる。A面1曲目「悪魔を憐れむ歌」のパーカッションが生み出す異様な高揚感、B面1曲目「ストリート・ファイティング・マン」の常識外れのカッコよさ…。この2曲を頂点に、故ブライアンの最後の輝きとなった抜群のスライドギターが特徴の「ノー・エクスペクテーションズ」、緊張感に満ちた「ストレイ・キャット・ブルース」など名曲揃い。自信を取り戻したストーンズは翌年、60年代最後の大傑作を生むことになる。

 60年代の最後を飾るにふさわしい名作。録音中にブライアンが脱退(同年7月3日没)し、ミック・テイラーが新ギタリストとして加入。バンドは新たに再出発を図るべくピアノにニッキー・ホプキンス、マンドリンにライ・クーダー、編曲にレオン・ラッセルらをゲストに迎え、キースの初ボーカルとなる「ユー・ガット・ザ・シルヴァー」も収録された。

「レット・イット・ブリード」

「レット・イット・ブリード」(1969年12月5日=全英1位、全米3位)

 60年代の最後を飾るにふさわしい名作。録音中にブライアンが脱退(同年7月3日没)し、ミック・テイラーが新ギタリストとして加入。バンドは新たに再出発を図るべくピアノにニッキー・ホプキンス、マンドリンにライ・クーダー、編曲にレオン・ラッセルらをゲストに迎え、キースの初ボーカルとなる「ユー・ガット・ザ・シルヴァー」も収録された。

 圧巻は1曲目の「ギミー・シェルター」。スケールの大きさと完成度では群を抜き、米国女性ソウルシンガー、メリー・クレイトンがミックとメインボーカルを務めた。クライマックスでメリーがシャウトする瞬間、ミックが背後で歓喜の叫びを上げるのが聞こえる。2人が声で「交わっている」ようなド迫力は今でも色あせない。「むなしき愛」「モンキー・マン」などの名曲が連なり、最後は壮大な「無情の世界」で60年代は幕を閉じる。最高傑作を作り上げたストーンズはいよいよ黄金期の70年代に突入する。

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