【切手美人inザ・ワールド】1969年・フランス発行 早世画家〝最後の作品〟

2020年12月27日 10時00分

ジョルジュ・スーラの「サーカス」

 

 今週は有馬記念で皆さん、盛り上がっていると思います。この連載でも馬の切手を取り上げようと思ったのですが、やはり美女に騎乗してほしい。そこで見つけたのが今回の切手です(1969年、フランス発行)。欧州各国で発行されている切手の絵柄を眺めると、馬と女性の組み合わせなら、曲乗り、サーカスという流れがあって、この切手の彼女もサーカスの一員。軽やかに白馬の背に乗り、馬もなんだか楽しそうです。

 原画はフランス人の画家、ジョルジュ・スーラが描いた「サーカス」です。点描画で知られるスーラの代表作といえば「グランド・ジャット島の日曜日の午後」。中州に大勢の男女が座ったり、立ったりして川を眺めている絵画で、おそらく見たことがある人も多いのでは。「サーカス」は31歳で早世したスーラの最後の作品で、未完のままアンデパンダン展に出品。展覧会の会期中に彼は亡くなってしまいました。死因は不明で、感染性髄膜炎やジフテリアなど諸説あります。彼の幼い一人息子も同じ病気になり、ひと月もたたないうちに死去。楽しい絵画の裏側に、実は死が貼りついていたんですね。

 絵画は未完でしたが、切手はフランスの著名エングレーヴィング(凹版技法の版画)作家・ガンドンによる凹版印刷で、素晴らしい出来栄え。切手女子ゴコロをグッと刺激する一枚です。

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