【マーティ&上坂すみれ 昭和・平成ソングって素敵じゃん】筒美京平さんの曲とともにあった「昭和50年代」

2020年12月06日 10時00分

「エセラテン風が昭和歌謡の原点」だとマーティ。上坂(右)も「確かに!」

 昭和生まれのアラフォー~アラ還が懐かしむ歌手や楽曲を、平成生まれのアイドルと外国生まれのミュージシャンはどう聴くのか。ゲストは声優・歌手として活躍する上坂すみれ。マーティ・フリードマンと先日亡くなった昭和歌謡を代表する作曲家、筒美京平さん(享年80)の大ヒット曲について語ります。曲を聴きながら読んでみてください。

【筒美京平論1】

 ――今回からは、10月7日に亡くなった作曲家・筒美京平さんが世に送り出したいくつかの大ヒット曲を聴いて、語っていただきます。日本の歌謡界の宝のような方で、特に昭和50年代は、筒美さんの曲とともにあったような時代でした。まずはジュディ・オングが歌った「魅せられて」(作詞・阿木燿子、1979年=昭和54年)です

 マーティ 聴いたことある気がします。(サビの部分で)あ~、知ってる! 日本人はみんな知ってる曲じゃない?

 上坂 小さいころから聴いてました。一回聴いたら忘れられないですね。この曲を歌う時のジュディさんのビジュアルも、一度見たら忘れられません。なんでこんな濃い雰囲気なんだろうと思ってました。

 ――羽のように袖を広げる衣装ですね。発売当時、この曲には「エーゲ海のテーマ~」という副題がついていました。日本っぽくないメロディーですよね

 マーティ いや、メロディーはどこから見ても、めちゃ日本っぽいです。サビの後の「ハァァ~」は、「さくらさくら」の終わりの方と同じ旋律ですよ。

 上坂 確かにその部分の「チャラチャ~チャラチャ~」のメロディーはとても和風ですね。

 ――え! そうなんですか! 僕らリアルタイム世代は、副題や当時この曲が使われたCMからエーゲ海、地中海のイメージを持っているんですが…

 上坂 そうなんですか!? それはとても意外です。

 マーティ 副題の言葉だけじゃないですか?

 上坂 謎の外国っぽくはありますね。日本人が考える“すてきな異国”感がありますよね。

 マーティ そう! それです。日本人が考えてる海外!

 上坂 本当の地中海の音楽とは違うんでしょうね。

 ――歌詞に「wind is blowing from the Aegean(エーゲ海)」とありますし、僕ら世代はそういうイメージを…

 上坂 昭和54年ころの地中海のイメージって、こんなゴージャスな感じだったんですね。私はすごく熱帯雨林ぽく、アジアっぽく聞こえます。先入観がないからですね。

 ――そうか、先入観として地中海イメージを植え付けられていたのか…。マーティさんは来日前、上坂さんが生まれるずっと前の曲ですもんね…

 マーティ 僕はこの曲のサビに入る前のキメの部分、ダダダダダダダ~ダダダダダダダ~のところ…。

 ――歌詞でいうと「真昼の蜃気楼」の後の演奏ですね

 マーティ あそこを聴いて、スペインのフラメンコダンサーを思い出しました。バラを口にくわえて踊ったりするようなキメですよ。昭和歌謡によくあるんです、ちょっとラテン風。ただしガチラテンじゃなく、エセラテン風が昭和歌謡の原点だと思います。

 上坂 あ~! 確かにラテンのノリ好きですね、日本の人は。でもすごく解釈して日本っぽくしたラテン!

 マーティ そう! 解釈した日本流のラテンです。一番の違いは、日本は演奏がタイトで完璧なことです。ラテンの人たちは全くタイトじゃなくて、情熱があふれるように演奏します。日本では譜面通りにちゃん弾く。そこが違います。

 上坂 そっか、こんなカッチリした感じにならないんですね。

 ――同じ譜面を使ったとしてもそういう違いが出ると

 マーティ そうです。日本はラテンの曲もメトロノーム通りに演奏します。それはそれでおいしい味が出るんです。

 ☆うえさか・すみれ 1991年12月19日生まれ。神奈川県出身。上智大学外国語学部ロシア語学科卒。2012年に本格的に声優デビュー。13年にアニメ「波打際のむろみさん」の主題歌「七つの海よりキミの海」で歌手デビュー。ロシア、昭和歌謡、メタルロック、戦車、ロリータ、プロレス、ひげなど多方面の知識を持つ。最新アルバムは「NEO PROPAGANDA」(キングレコード)。

 ☆マーティ・フリードマン 米国・ワシントンDC出身のギタリスト。1990年から2000年までメガデスに在籍。04年から拠点を日本に移し幅広いジャンルで活躍。「紅蓮華」「宿命」などをカバーしたギターインストゥルメンタルアルバム「TOKYO JUKEBOX3」が発売中。

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