【人生を変えることば選び】ルールを守りつつ、夢も広がるアドバイスを

2020年11月15日 10時00分

コンプライアンスの意識がより求められるようになってきたが…(写真はイメージ)

【ほめ達・松本秀男 人生を変えることば選び】コンプライアンスやガバナンスが厳しく問われる時代になりました。法律やルールを守らなくてはならないのは当然のことながら
「ルールありき」で身動きが取れなくなっている組織もあると聞きます。

「前例がありません!」「規定から考えて、手続きが煩雑で無理です!」

 まあ、それぞれの立場を考えれば仕方なしとも思えます。誰かの利益はほかの誰かの不利益にもなりますし、新しいビジネスを進めようとすれば余計な仕事を抱える人も出てきます。自分の立場を守ろうとすれば、どうしてもダメ出し的な立場にもなりがちです。

 ただ、ルールはそもそも何のためかを考えれば、その仕事や会社や社会を通して「誰もが幸せになるため」のはず。「ルールで縛る」のではなく「ルールを生かす」方法、ダメ出しだけで終わるのではなくアドバイスできる方法を考えたいですね。

 そこで立ち止まって考えたいのは、ダメ出しは自分の立場のために言っていることが多かったりします。それに対してアドバイスは、相手やお互いの立場のためにするもの。

 私の前職は外資系損害保険会社。日本のグループ社員だけで1万人はいましたので、コンプライアンス順守も重要課題でした。ただ、当時の「法務・コンプライアンス部」のメンバーは、「ルールで縛る」人ではなく「ルールを生かす」人たちでした。

 普通でしたら、「これ、規定に反しますから無理です」とはね返されそうなことも、「松本さん、このアイデア面白い! ただ、このままではコンプラ的によくないので、ここを修正する方法ありませんか?」「松本さん、むちゃ言わないでくださいよ! だけどその熱意があれば、何か解決策ありますよ。チカラになれることあれば言ってください!」と、私や会社の目指す方向に理解を示しながら、的確なアドバイスをしてくれました。

 ダメ出しとの違いは、プランを一度肯定してくれること。その上で、上から目線でモノを言うのではなく、次に進めるように同じ目線で背中を押してくれます。

 これは会社だけではなく、家庭内でも通用します。愛情を込めたつもりのダメ出しも言い方によっては、実は子供たちの夢を押し潰しているかもしれません。ルールを守りつつ、夢も広がるアドバイス、ぜひ実践してみてください。

☆まつもと・ひでお 1961年東京都生まれ。国学院大学文学部卒業後、さだまさし氏の制作担当マネジャー、ガソリンスタンド経営を経て、45歳で外資の損害保険会社に入社。トップ営業マンとなり数々の実績を作る。現在は一般社団法人・日本ほめる達人協会専務理事を務め、企業セミナーなど多方面で活躍中。著書に「できる大人のことばの選び方」や「できる大人は『ひと言』加える」など。

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