【人生を変えることば選び】當麻寺・松村院主の前向き発言「そりゃあ、楽しみですな」

2020年11月08日 10時00分

気さくな人柄で知られる松村院主(松本氏提供)

【ほめ達・松本秀男 人生を変えることば選び】秋の観光シーズンですね。新型コロナの心配もありますが、「Go To トラベル」の追い風に乗って、旅に出る方も多いと思います。

 私は学生のころから奈良が好きで、よくひとりで古寺をうろうろしております。そんな私がおすすめしたいのが、葛城市にある當麻寺(たいまでら)。ここはものすごい穴場であり「不思議の寺」でもあります。

 何せ白鳳・天平時代の創建ですから1400年の歴史があります。その時代の東塔・西塔がそのまま残る日本で唯一の寺。それだけでも貴重なのに、いつ行っても観光客がほとんどいない(笑い)。東大寺や法隆寺など有名な観光地と離れているためだと思いますが、もったいない話です。

 見どころの一つは當麻寺のご本尊。中将姫が蓮の糸で一夜にして織ったといわれる超巨大な曼陀羅です。また寺の裏にそびえるフタコブラクダのような二上山は、太陽が通る「太陽の道」として知る人ぞ知るパワースポットでもあります。ラクダの背に夕日が沈むのを見て大和の人は、極楽浄土の入り口と見たとか。まったくもって古代ロマンあふれる不思議の寺。なのに観光客が来ない! 新型コロナ禍で密を避ける意味では最適ともいえます(笑い)。

 さらに今回お伝えしたいのは、私が特にお世話になっている同寺の中之坊の松村實昭院主のことば選びです。松村院主は関西ノリで、冗談をたくさん言いつつも、ことあるごとにうれしいことばをかけてくれます。特徴的なことばは「そりゃあ、楽しみですな」。

 なんの変哲もないことばのようですが、そのことばの中にある明るい期待感は、人の背中を優しく押してくださいます。このコロナ禍においては困難な状況も多く、案件を相談しても必然的に「難しいんじゃない?」「無理無理」ということばを選択しがちです。そこを「楽しみですね」と明るい未来を想起させるようなことばで迎えてもらうと「よし、やってやろう!」と前向きな気持ちにもなろうというもの。

 振り返れば、私自身、何か背中を押してもらいたいとき、迷いがあるときに當麻寺を訪れているような気がします。奈良の片隅にひっそりとあるこの寺は、悠久の歴史の中で人々にこれまでも元気や勇気を与え続けてくれたのでしょうね。

 そうそう、最寄りの近鉄南大阪線「当麻寺駅」近くの中将餠も美味ですよ!

☆まつもと・ひでお 1961年東京都生まれ。国学院大学文学部卒業後、さだまさし氏の制作担当マネジャー、ガソリンスタンド経営を経て、45歳で外資の損害保険会社に入社。トップ営業マンとなり数々の実績を作る。現在は一般社団法人・日本ほめる達人協会専務理事を務め、企業セミナーなど多方面で活躍中。著書に「できる大人のことばの選び方」や「できる大人は『ひと言』加える」など。

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