今月から始まった隔週連載「切手美人inザ・ワールド」。第2回は“美女中の美女”と言ってもオーバーでない女優の登場です。

美人すぎる…。実物は3・5センチ角の小さな切手なのですが、紙片からその美貌がポロリとこぼれ落ちそうな勢いでほほ笑んでいます。もちろん、読者の方々はよくご存じですね。イギリス出身の女優ビビアン・リーです。

 この切手は1985年、「イギリス映画年」を記念して発行された5枚組みの中の1枚。ヒッチコックやチャップリンなどと並んで紅一点の採用でした。2013年には生誕100周年で切手になり、アメリカでも「風と共に去りぬ」を記念した切手に登場。ビビアンは切手にも愛されている人なのです。

 今回の切手に採用された写真は彼女が25歳の時のもの。なんとしてもスカーレット・オハラ役を射止めたくて、アーティスト写真で知られるカメラマン、アンガス・マクビーン(ビートルズのアルバム写真なども撮っている人です)に撮影を依頼。スカーレットをイメージしたポートレートを撮り、ハリウッドに送りました。すぐに自分も現地に乗り込んでスクリーンテストを受けています。

 この原稿を書く前、久々に「風と共に去りぬ」を見直したのですが、公開から80年以上過ぎても、彼女の喜怒哀楽がたちまち入れ替わる表情や、たくましい存在感は猛烈です。慢性の肺結核が原因で、53歳という若さで亡くなったのは残念ですが、その類いまれな美しさを切手でしのぶのが切手女子の喜びです。