【人生を変えることば選び】自分が言われた褒め言葉を親に返してあげよう

2020年09月17日 10時00分

【ほめ達・松本秀男 人生を変えることば選び】21日は敬老の日ですね。人生の先輩方への敬意をあらためて確かめたい日です。

 人生の先輩方は年とともにできないことが増えていきます。見えなくなる、聞こえなくなる、歩けなくなる、覚えられなくなる。特にそれが自分の親であれば、親のそんな姿を見たくないという気持ちもあるのでしょうね、切ない気持ちがイライラに変わってしまって、「こないだ言ったじゃない!」「そうじゃないでしょ?」などと強く言ってしまいがち。親の方も子供に迷惑をかけていると分かっていて、「悪いねえ」なんて小さくなってしまって。それがまた子供としては切なくて。

 そんな時のことば選びはどうしたらいいのでしょう? 私も施設にいる89歳の父との向き合い方でずっと考えておりました。結論は、「親にもらったほめ言葉を返す」。

 子供のころに自分が親から言われたほめ言葉を、親に返してあげる。「がんばったねえ」「すごいねえ」「いいねえ」。もちろん、上から目線で、親を子供扱いしようと言うのではまったくありません。親からもらったことばは、まさに親の愛。つまりは、親にもらった愛を、ことばにして返す。

 大げさなほめ言葉でなくて十分。この欄でも繰り返し伝えている、ちょっとした共感だけでばっちりです。「面白いね、それ」。考えてみたら、私たちは子供のころに、そんな親からの共感のひと言をもらって「守られている」という安心感の中、勇気や元気をもって毎日を過ごせたのだと思います。「親の愛は少なかった!」という方は愛の「倍返し」しちゃいましょう(笑い)。勇気も元気も愛も、使えば使うほど増えるもの。

 また親に限らず、これからは人生百年時代。たくさんのシニアとの付き合いが今まで以上に大切になります。シニアといっても吉永小百合さんが75歳、ポール・マッカートニーやミック・ジャガーがもうすぐ80歳という、ひと昔前には信じられない若くて元気で美しいシニアの時代です。

「いつも頼りになります!」「また教えてください!」「ご経験が生かされてますね!」

 こんなことば選びができれば、職場の大先輩やご近所さんとの会話が盛り上がること間違いなしです。コロナ禍でギスギスしがちな今だからこそ、敬老の日を契機に身近な関係構築にも目を向けてみましょう。

 ☆まつもと・ひでお 1961年東京都生まれ。国学院大学文学部卒業後、さだまさし氏の制作担当マネジャー、ガソリンスタンド経営を経て、45歳で外資の損害保険会社に入社。トップ営業マンとなり数々の実績を作る。現在は一般社団法人・日本ほめる達人協会専務理事を務め、企業セミナーなど多方面で活躍中。著書に「できる大人のことばの選び方」や「できる大人は『ひと言』加える」など。