【人生を変えることば選び】「未来の会社をほめる」ことが理想の仕事や自分への近道

2020年09月10日 10時00分

【ほめ達・松本秀男 人生を変えることば選び】リモートワークが増えて、社内のコミュニケーションがうまくいかないという話も聞きます。

 職場にいれば簡単に伝わることも、リモートでは伝わりづらくなります。それでも成果を上げなくてはなりません。仕事の本質を問い直される時代ですね。

 ただこの問題、実は以前からどこの会社でも抱えていた問題と変わりません。本社と支店、内勤と現場、考えてみればそもそもリモート。離れていても同じゴールを目指す企業風土作りは、昔も今もこれからも変わらぬ大きなテーマです。

 私が研修に伺ったある企業では、ほめる発想法で、そんな本社と現場との壁を突き崩されました。その企業は、システムエンジニアをさまざまな企業のプロジェクトに派遣しています。一チームが社員数人のユニットで、一つのプロジェクトに関わると、1年も2年も毎日相手先企業に通います。

 社員がまだ少なかったころは本社とのコミュニケーションも良好でしたが、業績が上がり、社員も300人になろうとすると、本社と現場との間に見えない壁を感じるようになったといいます。

 そこで社内に「ほめるプロジェクト」を発足させました。そしてプロジェクトが最初に取り組んだことがとても素晴らしいことでした。社員同士ほめて認めてというのは当然として、その前に、「未来の会社をほめる」ことからスタートされました。

「未来の会社をほめる」とは、自分たちの理想の会社、理想の職場とはどんなだろう? 自分たちの未来に、会社がどうなっていたらいいのだろう?という問いかけです。それを具体的に表すことばで書き出していきます。

「お客さまから、任せて良かったと言われる会社」「現場社員が仕事終わりに本社に寄りたくなる会社」「みんな笑顔であいさつする会社」「自分の子供を入れたい会社」「家族が自慢してくれる会社」

 あっという間に、ホワイトボードいっぱいに素敵なことばが並んだといいます。

「ほとんどすぐにできるし、意識すれば必ず実現できること!」。そう気づいて次は実践に取りかかります。ほどなく社員の意識が揃い、本社や現場という隔たりがなくなり、以前にも増して素晴らしい企業となられました。

「未来の会社をほめる」は、そのまま「未来の自分をほめる」にも使えます。コロナ禍の苦しい今だからこそ、その先に思いをはせることで理想の仕事や理想の自分への近道が見つかるのではないでしょうか?

 ☆まつもと・ひでお 1961年東京都生まれ。国学院大学文学部卒業後、さだまさし氏の制作担当マネジャー、ガソリンスタンド経営を経て、45歳で外資の損害保険会社に入社。トップ営業マンとなり数々の実績を作る。現在は一般社団法人・日本ほめる達人協会専務理事を務め、企業セミナーなど多方面で活躍中。著書に「できる大人のことばの選び方」や「できる大人は『ひと言』加える」など。

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