【山口敏太郎の現代妖怪図鑑4】子供を異界に引きずり込む「押し入れ小僧」

2020年08月28日 12時00分

押し入れ小僧

 オカルト評論家・山口敏太郎氏が都市伝説の妖怪、学校の怪談、心霊スポットに現れる妖怪化した幽霊、現代人が目撃したモンスターなどを記し、現代の“百鬼夜行絵巻”を作り上げていく。第4回は「押し入れ小僧」だ。

 押し入れが一般家庭に広まったのは戦後といわれ、昭和中期くらいから発生した妖怪だといわれている。この妖怪は押し入れに住んでおり、子供を異界に引きずり込んだり、寝ている子供を金縛りにしたりすると恐れられていた。

 昭和14年(1939年)に東京で生まれた女性の話によると「押し入れ小僧」は押し入れのさらに奥に子供を引きずり込んでしまうらしい。東大和市に住んでいた体験者は、昭和40年代に「押し入れ小僧」に、押し入れの下から抱きつかれ、異界に引きずり込まれそうになった。この時に「押し入れ小僧」は耳元で被害者に「お前を引きずり込んでやる」とささやいたそうだ。

 子供にとって子供部屋の押し入れというものは、初めて接する“境界”である。その境界の中に妖怪の姿を幻視したとしても何ら不思議ではない。