【人生を変えることば選び】家族喧嘩の原因は〝ねばねば言葉〟 「しょーがねーなー」で仲良しに

2020年08月13日 10時00分

【ほめ達・松本秀男 人生を変えることば選び】お盆の時期になりました。今年はコロナの心配で帰省を控える方も多いようです。

「帰りたいけど、おじいちゃん、おばあちゃんにウイルスを持っていったら大変」

 そんな話を聞くと切なくなりますね。リアルにしてもオンラインにしても、気のおけない家族や親戚が集まれば、素の自分に戻れてリラックスできます。一方で、家族が集まると、なんだか言い合いになってしまったりするのもよくある話。遠慮がないから喧嘩が激しくなるのもまた家族ですね。

 この家族の喧嘩の原因の多くが「ねばねばことば」にあると言います。家族だから関係が「ねばねば」しているということもありますが、この「ねば」とは「こうあらねば!」「こうせねば!」「こうするべきでしょう?」「こうしちゃだめでしょう?」ということばを指します。この「ねばねばことば」は、いろいろな場面で出てきます。

 親の立場としては「お前たち、子供はしっかりとしつけねば!」「もっといい学校行かせねば!」。一方、子供の立場からは「お父さんそんなにお酒飲むべきではないんじゃない?」「お母さん、ちゃんと薬服用しなきゃだめでしょう?」。

「ねばねばことば」は自分の価値基準のようなもの。「こうあらねば」という価値基準を他人にも押し付けてしまう。これが本当によそ様であれば、他人は他人と思えもしますが、近親だと遠慮もない。どうしても自分の「ねばねばことば」をぶつけてしまい、喧嘩のタネになってしまいます。

 ところがこれも本をただすと、相手への心配だったり、愛情の裏返しでもあります。ただし伝わりにくい愛ですよね。

 ではこの「ねばねば」から抜け出すことば選びは?というと、相手をいったんそのまま受け入れることば。一家だんらんでいつも楽しそうな家族がよく使っているものです。

 それは、「しょーがねーなー」。これを最初につけて、気遣うポイントを具体的に足します。例えば「しょーがねーなー、でもお酒は水分取りつつ、適度にな」。

 こう言うことで相手の存在感も認めつつ、気遣っていることも伝えられます。お父さんの酒量も減り、お母さんもきちんと薬を飲むようになるから、ことば選びは不思議です。

 なかなか会えない身内だからこそ、しっかりと気持ちが伝わることば選びができるといいですね。

 ☆まつもと・ひでお 1961年東京都生まれ。国学院大学文学部卒業後、さだまさし氏の制作担当マネジャー、ガソリンスタンド経営を経て、45歳で外資の損害保険会社に入社。トップ営業マンとなり数々の実績を作る。現在は一般社団法人・日本ほめる達人協会専務理事を務め、企業セミナーなど多方面で活躍中。著書に「できる大人のことばの選び方」や「できる大人は『ひと言』加える」など。