【人生を変えることば選び】相手のダメなところを見つけた時 まず心の中で「なるほど!!」

2020年06月18日 10時00分

【ほめ達・松本秀男 人生を変えることば選び】私は普段、全国の企業や組織で「ほめ達研修」をしています。研修先の企業が抱えている大きな課題の一つが「離職率」です。「有能な人材と若い人材から辞めていくんです!」。企業の上司の方からよく耳にする切実な声…。

 では、給料や待遇が問題か?というと意外にもそれだけではないようです。信頼関係がなければ、この職場で頑張ろうなどとは思えないもの。そこで今回は信頼関係を作る上でとても簡単なことば選びをご紹介します。

 それは、相手のダメなところを見つけた時に、「ダメじゃないか!」「違うだろ!」と言いたいのを少し抑えて、まずは心の中でこう言うのです。

「なるほど!」

 なんの「なるほど!」かといえば、「なるほど! そういうことはまだ不得意だったのね。じゃあ、教えてあげよう」という自身にとって気づきの「なるほど!」です。いわば成長を見守る親の愛情のようなまなざしを向けるワケです。

 ここで大切なのは、まずは欠点を受け入れること。信頼関係構築には相手を受け入れること、つまりは欠点までも受け入れることです。実際にこの方法で成果を出しているのは離職率が高いといわれる介護業界で、なんと社員定着率96%を誇るさいたま市にあるリハプライム株式会社です。

 ただ、この会社もほんの6年前までは「社長についていけません!」と、新設事業所の看護師全員が辞めてしまうこともありました。小池社長自身の言葉も理念の高さから、「ダメじゃないか!」「違うだろ!」と、いつもイライラした指導をしていたと言います。

 そこでそんな自分をまず変えなければという時に出会ったのがほめ達研修でした。「ほめるの基本はまず相手を受け入れること」。この考え方を知ったことで小池社長は180度方針転換。「なるほど!」と社員の欠点まで受け入れることにしたそうです。

 小池社長は言います。

「人は正しいか、正しくないかではなく自分を信じてくれる味方かどうかで心を開くのです」

 否定する前に、まずは相手を受け入れる。コロナ禍で誰もが余裕がなくなっている今だからこそ、気に留めておいていただければと思います。

☆まつもと・ひでお=1961年東京都生まれ。国学院大学文学部卒業後、さだまさし氏の制作担当マネジャー、ガソリンスタンド経営を経て、45歳で外資の損害保険会社に入社。トップ営業マンとなり数々の実績を作る。現在は一般社団法人・日本ほめる達人協会専務理事を務め、企業セミナーなど多方面で活躍中。著書に「できる大人のことばの選び方」や「できる大人は『ひと言』加える」など。