【プロジェクトC】新型コロナウイルスの感染拡大で“表現の場”を失った人を救済すべく本紙が立ち上げた「東スポ解放区」には、様々なジャンルの人から応募があった。「人間社会の未来」を提起するアーティストが本紙に乗り込んできた。

〈美術家・古屋崇久氏〉コロナ禍でイベントなどが軒並み中止になってしまったのが、美術家の古屋崇久氏(28)。6年前から都内を中心に活動しているが、コロナによる損害は「数百万円」という。ただ落ち込んでばかりもいられない。

 古屋氏の作風は自ら作品と一体になって、直接来場者と対話するスタイル。代表作は昨年10月、東京ミッドタウンに展示された「人工知能による顔の識別」だ。「いずれ人工知能や機械に対しての人権を考える時がくるのでは」との未来予測に立ち、人間社会への疑問を提起した作品だ。

 時代の先端を走る古屋氏は、話題の「ソーシャルディスタンス」も数年前から作品に組み込んできた。「急速なSNSの発達で人と人の距離が急接近した世の中を批判的に捉え、数百メートル離れた距離で会話する形で作品を発表してきました」

 経緯は違えど、時代が追いついてきたというわけだ。「皮肉にもそうなってしまった。今後の作品の形態自体がそういう感じになると思う」と過去をヒントに、新たな作品を模索中という古屋氏。コロナ社会の先を見据える気鋭のアーティストの活動に注目だ。古屋氏のホームページ(https://takahisafuruya.wixsite.com/bonew/profile)では他の作品も見られる。

【東スポ「解放区」提供】新型コロナウイルスの蔓延により、表現の場を奪われた方たちに東スポが「解放区」を提供いたします。お笑い芸人、アーティスト、各種クリエーター、素人さんまで、作品を大募集!

 応募者は(1)氏名、年齢(2)職業(3)連絡先(4)自己紹介とコロナ社会に対する簡潔なメッセージ(5)作品を確認するため1~2分の動画または画像を添付し、kaihouku@tokyo-sports.co.jpまでお送りください。

 締め切りはコロナが終息するまで! 採用者にはこちらから折り返しご連絡いたします。