【マーティ&KissBee 昭和・平成ソングって素敵じゃん】日本人が洋楽を聴かなくなったワケ

2019年12月29日 10時00分

マーティの分析に谷藤も納得!

【マーティ&KissBee 昭和・平成ソングって素敵じゃん】昭和生まれのアラフォー~アラ還が懐かしむ日本の歌手や楽曲を、平成生まれ世代や外国生まれのミュージシャンはどう聴くのか? ユーチューバーアイドル、KissBeeの谷藤海咲(20)とマーティ・フリードマンが、谷藤が好きなBOOWYについて語ります。2人の話から日本人の「洋楽離れ」の理由が見える!? 曲を聴きながら読んでみてください。

【BOOWY論(2)】

 ――今回は、BOOWYの躍進はここから始まり、日本のロックはここから変わったと言えるアルバム「BOOWY」の曲を聴いてみましょう。まずは「DREAMI’N」です

 谷藤:母が好きで歌ってました。

 マーティ:イントロからハッピーなメロディーですね。幸せな人のBGMって感じです。人生が楽しければいいけど、楽しんでいない人は嫉妬して聴かなそうじゃん。

 ――ところが歌詞は、どちらかというと世の中からハミ出した人に向けたものなんです。次は同じアルバムのポップな「ハイウェイに乗る前に」です

 マーティ:歌謡曲的ですね。歌謡曲は実は50年代のアメリカのポップスの影響が強いです。この曲の旋律も典型的なロックンロールポップスですよ。でも何が違うかというと、複雑なんです。最初からキメ、キメ、キメで難しい展開が多いじゃん。アメリカだったら簡単なアレンジにします。こんなにストップ、キメが入る曲は向こうにないです。だけどこっちの方がいろんな要素があって楽しめるじゃん。

 ――メロディーに50年代のアメリカンポップスの影響が入っているけれど、この曲が出た85年ごろには、それを咀嚼してアメリカとは別方向に音楽が進化していたんですね

 マーティ:そうです。日本人はデータが多くて複雑な音楽でも平気だし、好きだよね。KIssBeeの「どっきんふわっふー」のPVを見たんだけど、難しくない?

 谷藤:あの曲もメロディーが細かく変わって、覚えるのは難しかったです。けどポップで耳に残る曲だと思います。

 マーティ:よく対応できますね。難しいですよ。でも日本人は耳が訓練されているから、その難しさがわからないんです。BOOWYのこの時代から、キメ、キメに慣れていて、データが多くないと物足りないんです。僕はこの日本流の音の方が好きです。

 ――次はポップで疾走感がある「BABY ACTION」です

 マーティ:このイントロ、どういう意味ですか? 曲と関係ないじゃん。日本でよくあることなんですが、イントロが本編と全く関係ないリズムとメロディーでしょ。これ、向こうではあり得ないんです。

 谷藤:確かに! 海外の曲はイントロからのつながりがあるから、びっくりしそうですね。前回の「ポートピア」(ゴダイゴ)もイントロが別物でした。
 マーティ(「もうイヤサ~くらくなるぜ」の部分を聴いて)ここもイントロともAメロとも関係ない雰囲気じゃない。

 谷藤:一曲に何曲も入ってる感じですね。

 マーティ:そうそう。ちょっと聴いたら、関係ない部分を適当につなぎ合わせているように聞こえるけど、くっつけて効果がゼロだったらその曲を捨てればいいだけじゃん。今の日本のプロデューサーはそういう効果を大事にしてますね。でんぱ組.incの曲はこういうことを凝縮して、関係ないようなメロディーをきれいにつなげて、かっこよく仕上げてます。

 谷藤:メロディーがたくさん入ってるから、「この曲のここが好き」とか、そういう楽しみ方もできるんですね。

 マーティ:そう、とても日本的な楽しみ方です。

 ――僕もそうなんですが日本人が洋楽を聴かなくなったのは、こういう複雑さに慣れて、洋楽が物足りなくなったのかもしれないですね

 マーティ:その通りです、でも悪いことじゃないです。感覚が鋭くなります。

☆マーティ・フリードマン=米・ワシントンDC出身のギタリスト。1990年から2000年までメガデスに在籍。04年から拠点を日本に移し幅広いジャンルで活躍。

☆たにふじ・みさき=1999年9月22日生まれ。東京都出身。2015年8月からアイドルグループKissBeeの正規メンバーに。KissBeeは14年結成。現在はユーチューブチャンネル「URA―KiSS」を軸にユーチューバーとしても活躍。「Yahoo!検索大賞2018」で「アイドル篇 ネクストブレイクアイドル」受賞。