【いろもの伝】インテリ芸人は増えたのに…消えゆくインテリ芸

2019年12月10日 10時00分

ミスター梅介

 笑いは常に進化し、新しい手法が生まれますね。逆に昔よく見たけど、最近あの手の芸をあまり見ないなぁというものもあります。「インテリ芸」がそうですね。

 以前に触れたケーシー高峰さんは、日大医学部にいたというインテリな経歴をうまく利用し、医療っぽいことを言いながら下ネタを言いまくるという独特の芸を作り上げました。「法律漫談」のミスター梅介さんも、インテリ芸をやっていた一人です。梅介さんは法学部出身で、本気で弁護士を目指して司法試験を受けていました。その知識を元に芸を作っていったんですね。

 最近で言うとバカリズムのネタは、専門知識ではなく、頭の良さや柔らかさを見せるインテリ芸でした。地図を出して「〇〇県をどう持つか」とネタにする発想、そう簡単に出てこないですよ。彼はコンビ時代からああいう感じのインテリ芸に行きたそうでした。

 最近、いい大学を出ているインテリ芸人がすごく増えました。うちの会社で言うとカズレーザーもそうですね。実際に彼は頭の良さや豊富な知識を生かしてテレビに出演していますが、インテリ芸的なネタをやるわけではありません。

 インテリ芸人が増えたのに、なぜインテリ芸を見なくなったのか。それはテレビに出続ける手段が「ひな壇芸」に変わったからでしょう。瞬間的に適切な面白いことを言え、また空気を乱さないバランスも備えている。頭の良い芸人はしっかりこれに対応し、さらに勉強してコメンテーターも務めています。芸も芸人も時代によって求められるものが変わっていきますね。

☆りっきー=1958年9月8日生まれ。京都府出身。本名・岡博之。81年に「ブッチャーブラザーズ」結成。サンミュージック初の所属芸人に。プロダクション人力舎に移籍後、92年に開校した東京初のお笑い専門学校「スクールJCA」講師を務めた。現在サンミュージック常務取締役。