元「SMAP」香取慎吾(40)のフジテレビ系バラエティー番組「おじゃMAP!!」(水曜午後7時)が、9月に打ち切りとなることが決定。グループの解散に加え、香取が9月に所属のジャニーズ事務所から独立して芸能界での立場は危うくなるため、同番組の終了は不可避だった。ところが、頑固者の本人は打ち切りに“徹底抗戦”の構え。思い入れが強い番組の“年内延命”を狙っており、ここにきて放送継続という大逆転の可能性が浮上している。その舞台裏を探った――。

「引退しないから」――。19日に放送された「おじゃMAP!!」で香取は芸能活動の継続を真剣に訴えた後、白い歯をこぼした。

「クイズ!ヘキサゴンⅡ」の司会を務めていた元タレント島田紳助氏(61)が芸能界を引退したことを受け、2012年1月から香取と「アンタッチャブル」山崎弘也(41)のコンビで同番組は開始。その歴史が9月で終わり、5年半で幕を閉じようとしている。

 もともと、番組の終了説は根強かった。

「SMAPは昨年いっぱいで解散。芸能界で絶大な力を誇示するジャニーズから香取が今年9月に独立後は、テレビ業界はジャニーズに気を使って彼を起用しづらくなる。打ち切りは不可避で、あとはタイミングの問題だった」(民放局編成マン)

 後継は、これまでパイロット版(単発のお試し放送)としてオンエアされてきたお笑いタレント劇団ひとり(40)、芸人小籔千豊(43)によるバラエティー番組「100人のススメ!」に内定した。複数の関係者によれば、後継番組の候補として、SMAPの後輩グループ「関ジャニ∞」の冠バラエティー番組「関ジャニ∞クロニクル」(土曜午後1時半)の昇格も有力視されていたが「香取の番組を終わらせて関ジャニの番組がゴールデンタイム進出だと、香取ファンの反応が怖いため敬遠された」という。

 もっとも、香取本人は「おじゃMAP!!」の継続をいまだに強く望んでおり“徹底抗戦”の構えを見せているという。

 19日放送の同番組で「(ロケで)暖かいところに行きたい。ハワイとまでは言わないから。サイパンとか」「『おじゃMAP!!』でいろんなところに行って遊びたい」と語る場面があった。

「香取は番組愛をアピールして継続をそれとなく訴えて、フジ側にプレッシャーを与えようとしている。ファンに対し、番組を続けたいという“ポーズ”でもある。これで打ち切ったらフジにクレームが殺到するはず」と関係者。

 香取にとって同番組の行く末は死活問題だ。現在のレギュラー番組は同番組と、テレビ朝日系バラエティー番組「SmaSTATION!!」の2本だけ。

「ジャニーズから独立すると“圧力”をかけられかねず、そうなると干されてレギュラー番組がゼロになる可能性もある。本人は決して見せないけど、退所後の焦りはあるはず」(前出編成マン)

 香取の頭にあるのは、元リーダー中居正広(44)のTBS系バラエティー番組「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」だという。

「『中居正広の金曜日のスマたちへ』から去年2月に現行のタイトルに改題した。これはSMAPが解散すると『スマ』の表記が使えるか微妙だから『スマイル』に改めたのです」と制作会社スタッフ。

 香取も、これに倣って番組名を変えて内容をリニューアルし、なんとか継続したいと願っているのだという。

 その思いが通じたか、当初の「9月終了」でいったんは決定し、後継番組も内定していた状況から急転直下、香取の申し出を受けて、フジ側が年内いっぱいまで“延命”の可能性を探るという奇妙な動きも見せ始めているという。

 果たしてSMAPイチだった頑固者の、ジャニーズ退所と絡んだ最後の願いはかなうか。

【独立派トリオ厳しい今後】

 香取と稲垣吾郎(43)、草なぎ剛(43)の3人は9月8日、契約終了によりジャニーズ事務所を退所する。元SMAPのチーフマネジャーI女史と合流して活動する見込みだが“独立派トリオ”の退所後は、やはり厳しくなりそうだ。

 それぞれのレギュラー番組は事務所の公式サイトによると、稲垣はTBS系冠番組「ゴロウ・デラックス」の1本のみ。

 草なぎは、テレビ朝日系番組「『ぷっ』すま」とナレーションを務めるNHK番組「ブラタモリ」の2本。

 香取のテレ朝系「SmaSTATION!!」は先月、一部で打ち切りが伝えられたが「未定なのが現状。決まるのは8月上旬」(民放局編成マン)との声もある。

 中居も独立派だったが一転、ジャニーズに残留。テレビマンからの評価は相変わらず高く、TBS系「金スマ」など5本を抱える。

 木村拓哉(44)は当初から残留派。レギュラー番組はないものの“俳優志向”で、ドラマや映画に力を入れている。