4月からジャニーズの人気グループ・嵐が出演するレギュラー番組「嵐にしやがれ」(日本テレビ系)が時間枠を変えて勝負に出るが、嵐の「SMAP化」は成功するのだろうか。

 土曜午後10時から放送されている同番組は、4月から午後9時と1時間前倒しになる。もともと日テレの土曜夜9時はドラマ枠だったが、そのドラマ枠を夜10時にずらすのだ。

「この時間枠変更はもちろん『嵐にしやがれ』のテコ入れです。今の10時の枠では、裏番組も強く、2桁いくかいかないかというギリギリの勝負でしたので、より視聴率の見込める9時台に移して、高い視聴率を目指そうというものです」とはある日テレ関係者。

 この土曜夜9時の枠はかつて「家なき子」「ごくせん」といった大ヒットしたドラマが放送された枠でもある。近年ではそこまで大ヒットという作品はないが、嵐の大野智(36)主演の「怪物くん」(2010年)、KAT‐TUNの亀梨和也(31)主演の「妖怪人間ベム」(2011年)などは高い数字を残し、映画化までされた。ある程度の数字を見込める枠でもある。

「当然、10時枠に移るドラマは以前ほどの高視聴率は見込めないだろうと、すでに局内でもささやかれていますが、今の日テレとジャニーズの関係を考えれば断りきれないでしょう」と同関係者。ジャニーズ事務所の次期社長でもあるジュリー副社長と日テレが蜜月なのは有名な話。そこからのテコ入れ案であれば、日テレに選択肢は残されていないだろう。

 狙いは当然、SMAPがなくなった後の“国民的人気グループ”の座だ。「SMAPには『SMAP×SMAP』というお化け番組が存在しましたが、今の嵐にはそこまでの番組は存在しない。だからなんとしても『SMAP×SMAP』のような番組を作りたいし、そのためにも視聴率を取る必要があるんです」と前出の関係者は言う。いわばポストSMAPに向けて、ジュリー副社長が大きな一手を打ってきたということだ。

 今後のジャニーズにとっても、思惑通りにいけばいいのだろうが、逆の目が出る可能性があるのも視聴率。その推移を見守りたい。