“ジャニーズ帝国”の礎を築いた名誉会長の藤島メリー泰子(メリー喜多川)さんが死去していたことが17日、分かった。93歳だった。1960年代に弟のジャニー喜多川さんがジャニーズ事務所を創業。当時から経営に携わり、「たのきんトリオ」「少年隊」「SMAP」「嵐」など、多くのアイドルグループやタレントを支えてきた。

「タレントを守るためなら何でもする」という覚悟を持っていたメリーさんが最も大切にしていたというのが、タレントを支えてくれるファンだったという。芸能プロ幹部の話。

「メリーさんが特に大切に考えていたのが地方のファン。東京のファンは劇場も多いし、テレビの収録に参加できてタレントを身近に感じることができる。だけど、地方の子はなかなか機会がない。そのために、ファミリークラブの会報をしっかり作って送らなきゃいけないし、東京に遊びに来た時、タレントを身近に感じられるようにジャニーズショップを作ったんです」

 会報、ショップという“アナログ感”にこだわっていたのもメリーさんの意向だという。昨年から名誉会長という立場で、事務所の経営からは離れたこともあり、近年では一気にジャニーズの“デジタル化”も進んだ。

 しかし、同幹部は「ブログだったりSNSだったりとタレントを身近に感じられるツールは今では山ほどありますが、メリーさんにはこだわりがあって、『たまにしか会えない、たまにしか見られないからスターだ』という考え方を持っていた。会報という手紙をもらう、ショップに足を運ぶというアナログ的なことも、スターをスターたらしめるのに大切なことと考えていた」と説明している。