クドカン演出「私、堀越だも~ん」をTBSが謝罪

2014年11月06日 07時30分

宮藤官九郎(左)と中村静香

 これも勢いの違いか。「あまちゃん」の作者で知られる宮藤官九郎(44)脚本のドラマ「ごめんね青春!」の第3話(先月26日放送)で、実在する学校について、誤解を与える表現があったとしてTBSが謝罪した。一方で、パート3が放送中の人気ドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」(テレビ朝日系)は、外科医役の個性派俳優鈴木浩介(39)が渾身の“号泣議員”のパロディーで今パート最高の平均視聴率23・7%を記録。“遊び演出”をめぐって両ドラマは明暗が分かれた――。

「ごめんね青春!」は静岡・三島を舞台に、近接する男子高校と女子高の共学化に奔走する教師や、ぶつかり合う生徒らを描いた、クドカンならではの女子への幻想や妄想がたっぷり詰まった学園青春コメディーだ。

 問題となったのは「関ジャニ∞」の錦戸亮(30)演じる主人公の高校教師・原平助のクラスの生徒らが、お色気たっぷりの平助の義姉・エレナを演じる中村静香(26)に「お姉さん、この問題(教えて)」と迫ると「それは無理! 私、堀越(卒業)だも~ん」と答えたシーン。

 TBSは先週末に公式サイトで「在校生の皆様、今後の進路として考えている受験生を始めとして、先生、保護者の皆様、学校関係者の皆様にご迷惑をおかけするものでした」と謝罪した。学校名には言及していないが、これは古くから多数の芸能人が在籍することで有名な堀越高校(東京・中野)。学校関係者が抗議したという。

 芸能関係者は「クドカン(宮藤)は『あまちゃん』の小泉今日子といい、配役を決めていて、その個性に合わせた登場人物を描く“あてがき”のプロ。中村も実際、堀越出身で、堀越が“芸能人学校”というイメージを確立している全国区の有名校だからこそ、成立するメタフィクション(皮肉や婉曲表現)」とフォローする。

 有名人輩出実績では堀越の右に出る高校はないだろう。古くは野口五郎(58)や松田聖子(52)、若い世代でも「嵐」の松本潤(31)や長澤まさみ(27)、戸田恵梨香(26)らがいる。芸能活動と両立できることが特徴だったが、少子化の波でいつまでも芸能のイメージに頼っていられなくなってきた。

「堀越は今、新校舎を建て替え中で、芸能やスポーツ推薦だけのイメージを払拭して、優秀な生徒をどれだけ呼び込めるかの命運がかかってる大事な時期。敏感にならざるを得なかったのだろうが、それでクドカンの手が緩むことはない。堀越の抗議でかえってドラマが話題になって、ほくそ笑んでいますよ」(同)という。

 だが、謝罪後の第4話も視聴率6・7%と、思惑は外れた形だ。初回こそ10・1%と2桁ながら、あとは1桁にとどまる。

 一方、スタートから20%超を続ける「ドクターX」は第4話(先月30日放送)で、院内の派閥争いで両派閥から詰め寄られた外科医・原守役の鈴木が突然“号泣議員”野々村竜太郎元兵庫県議(48)そっくりに耳に手を当て「ああああー! 医療を…変えたぁい! その一心でぇええ! あぁぁあ!」と渾身のパロディーで魅せて平均23・7%とパート3最高の数字を残し、瞬間最高も26・6%を記録した。

「『ドクターX』はスタッフが年単位で大学病院に通って最新の医療現場に入り込んでいる。医療シーンに関してはどこにも負けないとプロデューサーも自負しているが、そのほかの部分でかなり遊びを盛り込んでいる。野々村元県議のチョイスもさすがで、失敗しないなという感じ」と別のテレビ関係者。

 両ドラマの「学校名」と「号泣」は、いずれも“遊び演出”だったが、片やテレビ局を巻き込む謝罪となり、片やまったく問題にならずセーフ、いやそれどころか視聴率を引き上げた。

「TBSも謝罪するくらいなら、事前に宮藤と話し合って何とかすべきだった。そのままオンエアしたということは、“話題にして数字を上げようとした”と受け取られても仕方ない。姑息なやり方。一方のテレ朝は、自信満々にパロってるから視聴者は面白がるし、問題にならない。局の勢いの差とも言えるだろう」(テレビ関係者)

 どうやらこれも、“もってる”テレビ局とそうでない局の違いというほかはなさそうだ。

(視聴率は関東地区、ビデオリサーチ調べ)