嵐に“コロナショック”飛び火!中国公演に影響か

2020年01月30日 11時00分

人通りが消えた武漢(ロイター)

 ついに芸能界も“コロナショック”に襲われた。新型コロナウイルスの感染が中国全土に拡大していることを受け、「NHK紅白歌合戦」に出場経験がある6人組バンド「Suchmos(サチモス)」は、2月に予定していた中国公演を中止すると発表。こうなると注目されるのは、今年いっぱいで活動を休止する国民的アイドルグループ「嵐」の中国公演だ。というのも、今春に北京でライブを開催する予定だからだ。香港の有識者は感染者のピークを「4~5月」と、不吉な試算をしているだけに、影響は避けられない。 

 中国政府は28日、新型コロナウイルスによる肺炎で死者は106人に達したと発表した。中国本土の感染者は4515人。世界各国にも蔓延し始めているが、その波は日本の芸能界にも襲いかかった。

 2018年の「NHK紅白歌合戦」に初出場したことで知られるサチモスは28日、中国3公演の中止を発表。公式サイトで「中国で新型コロナウイルスの感染が拡大していることを受け、お客様とアーティストの健康と安全を最優先に考え」、2月7日(上海)、同9日(北京)、同11日(深セン)の各公演について「開催を中止する」との声明を出した。チケットの代金は払い戻す。振り替え日程は「現在調整中」という。

 これにより所属事務所、レコード会社、イベンターの3者が被る損害金について、複数の音楽関係者は「億単位」と口をそろえている。

 音楽関係者は「あくまで業界の一般論」と断った上で「会場の規模によるが、国内よりアジアの公演中止の方が損害金は高くつく。1公演につき1億円ほどの損害金が発生するとも考えられ、3公演で総額3億円を計上する。この額から中止に備えた保険がどこまで適用されるか…。後日、振り替え公演を開催できればいくらか補填できるが、それでも赤(字)になりそう」と同情した。

 新型コロナウイルスの感染拡大による邦楽アーティストの公演中止は初の事態。今後も現地でのコンサートを予定しているアーティストの関係者は、難しい判断を迫られる。

 中でも業界が注目しているのが、嵐だ。新設された東京・国立競技場で5月15、16日にコンサートを開催することがすでに決まっている。また日にちは未定ながら、北京でも今春にライブを行うと発表済みだ。

 春ごろには新型コロナウイルスの封じ込めに成功、騒動は終息しているとの楽観的な観測もないことはないが、現地では聞き捨てならない試算がはじき出されている。

 香港メディアによると、香港大学の梁卓偉医学院長は今後のアウトブレークを指摘。発生源となった武漢市だけで、潜伏期の感染者も含めると、発症者は約4万4000人に達する可能性があると試算し、感染者は北京や上海などで急増した後「4~5月ごろにピークを迎える」との見解を示した。この結果を、世界保健機関(WHO)に報告するという。

 嵐は昨年末に外務省から、今年1年間の期間で日中の文化・スポーツ交流を推進する親善大使に任命されたばかり。今年は「日中文化・スポーツ交流推進年」で、中国の習近平国家主席も了承しているだけに、春に予定されている中国公演は国家的プロジェクトと言えるが…。

「今回の(サチモスの)中国公演中止は嵐にとって対岸の火事ではない。嵐の北京公演で有力視されているのは4月。決行した場合、日本から北京に渡ったファンが新型コロナウイルスに触れて帰国する可能性も捨てきれない。万が一、国内で発症すれば最悪の事態だ」(永田町関係者)

 公演が予定通り行われれば、日本からも多くのファンが中国に駆けつけると予想される。嵐のメンバーやスタッフだけではなく、多数のファンにも感染リスクがあり、帰国後に日本で一気に広まる危険性は十分に考えられる。

 夏以降に延期する案もありそうだが、ラストイヤーで多忙を極めており、今からスケジュールを変更するのは厳しい。

 果たして嵐の北京公演は実現するか――。