【緊急連載「J帝国 崩壊前夜」(1)】ジャニーズ事務所社長のジャニー喜多川さん(享年87)が天国へ旅立ったことで、各メディアは10日、特集を組んでその死を悼んだ。同事務所に所属するタレントたちも続々と追悼コメントを発表したがその裏側で、それぞれの“進むべき道”を決断するときが迫っている。事務所の精神的大黒柱を失い、対立の構図が鮮明になったからだ。近く社長に就任するジャニーさんのめいである藤島ジュリー景子副社長(52)と、ジャニーさんが後継者に指名した滝沢秀明氏(37)が火花を散らすことになる。「2人の関係は良好」「一枚岩だ」という声もあるが、やはり衝突は避けられないとの見方は強い。そのワケとは――。

“巨大帝国”の本当の正念場はこれからだ。

 事務所のトップにはジュリー氏が就き、関連会社「ジャニーズアイランド」の滝沢社長はタレントの発掘育成を担う。両者はいわば車の両輪のように帝国をけん引することになる。だが、両輪は派閥となって衝突する火種がくすぶっているという。

「タッキーはジュリーさんとは毎日連絡を欠かさないと言っていますが、表面的にうまくやっているだけです。まだ社長に就いたばかりですからね。だんだん不満が積もっていって衝突するでしょう」と断言するのは、ある芸能関係者だ。

 テレビ局は早くもその“ニオイ”をかぎつけている。

 あるキー局の関係者は「ジュリー時代の本格到来といっても、ジャニーさんが後継指名した滝沢社長もしっかりケアしておかないといけない。それで各局、通称“ジュリ担”と“タッキー担”を置いたんです。ゆくゆくは滝沢社長の存在も大きくなることを見据えているんですよ」と話す。

 テレビ局はすでに2人を切り離して対応するという。これは明らかに“派閥対応”だ。こうなると、やがてどちらと親密になるのか、局によって偏りが出てくるのは時間の問題。なぜなら、かつて似たような構図があったからに他ならない。

 それは、解散に追い込まれたSMAPの元マネジャーだった飯島三智氏(現CULEN社長)と嵐を育てたジュリー氏の派閥の構図だ。当時、日本テレビがジュリー氏に軸足を置き、飯島氏はフジテレビと親密に。結果、嵐とSMAPの“共演NG”は業界の常識となった。

「そのころもテレビ局には“ジュリ担”“飯島担”という役割分担がありました。SMAPの存在感が大きくなって、次第に飯島氏の影響力が大きくなった。その結果、飯島氏はジャニーズ事務所を出ざるを得ないことになりました」(同関係者)

 今後のクライシス第1弾は2020年末といわれる。

 ジュリー氏が手塩にかけて育てた嵐がグループ活動を休止する。そして第2弾は、これまた同氏が手掛けたTOKIOがカギになる。

「TOKIOは山口達也が脱退して以降、グループとしての活動が途絶え、メンバー間に不協和音があるとされます。特に音楽活動ができない長瀬智也は不満分子らしい。嵐が活動を休止し、TOKIOが解散すれば、確実にジュリー氏の影響力は低下する。そんなときに、タッキーが力を伸ばせば、ジュリー氏サイドは面白くないでしょう」(同関係者)

 タッキーは積極的にテレビ局幹部の元に足を運んでいるという。一部で懇親会を開いているという情報もあり、コネクションづくりに余念がない。それでいてタレントたちからの信頼も厚い。

「関ジャニ∞の大倉忠義は、なにわ男子という関西ジュニアのグループのプロデューサーを任されていますが、今後についてタッキーに相談していたそうです。ジュニアをはじめ、いいお兄さんとして慕われています」(芸能プロ関係者)

「Snow Man」がCDデビューしていないにもかかわらずCM出演を決め、「SixTONES」を雑誌の表紙やグラビアに多数登場させた。さらにジュニアだけで東京ドーム公演が決まるなど実績を作りつつある。“タッキー派”が、じわり広がりつつあるのだ。

 それだけではない。一部報道によると、ジャニー氏は晩年、自身の意向が姉のメリー喜多川氏やジュリー氏に受け入れてもらえず「ここにいたら、やりたいことはできない。こんな事務所はやめたらいいよ」と吐き捨てたとされる。そんなジャニー氏が指名したタッキーがジュリー氏とギクシャクするのは、ある意味当然とも言える。

「2人の対立が激化していけば、事務所は空中分解しかねません」(前出の芸能プロ関係者)

 そんな帝国の“論理”に嫌気が差す者も出てくるだろう。退所者が続々と出るという情報があるのだ。その1人目とは――。【明日に続く】