村西とおる氏が激言「新しいストライクゾーンを探し求めるべし」

2019年12月30日 10時00分

日本人の性について熱く語った村西監督

 日本人の性生活に物申す。Netflixドラマ「全裸監督」(山田孝之主演)ドキュメンタリー映画「M 村西とおる完全版 熱狂の日々」で再脚光を浴びている村西とおる氏。71歳の今なお「現役」を自任し、その視線や舌鋒は今なお、日本人の下半身に熱く注がれている。そんな村西氏は今の日本人について何を感じているのか。

 ――日本人の性に関して、監督はどうお考えですか

 村西氏:日本というのはアダルトビデオ(AV)のおかげで、世界に冠たるエロスの聖地と言われております。日本は世界の中でもっともタブーがない。ありとあらゆる性愛のジャンルが表現されていて、もう胸焼けするほど楽しんじゃっている。飢餓感がないんですね。我々の時代を考えると夢のような世界でございます。

 ――まったく違う

 村西氏:我々の若い時代は(エロ)写真がないですから。辞書の「処女」「乳房」「膣」という文字を見て興奮しましたよ。オナニーするのにも王(貞治)監督の足を上げた写真でしたりしましたねえ。ほかにも上野の森あたりで写真を見せてきた人がいて「いい写真あるよ、買わないか」と。見たら裸の足4本がくんずほぐれつしている。これはと高い金を出して買ったら、若乃花と栃錦が相撲とってる写真だったりしましたね。

 ――まさに飢餓状態ですね(笑い)当時はアダルトグッズもなかった

 村西氏:ええ、コンニャクでもやってみようかと買いにいきました。でも意識過剰になってしまい、コンニャクだけを買う勇気がないんですよ。だから必要もないものも買ってしまうわけです。がんもどきやねぎ、鶏肉。1回のオナニーにとんでもないお金がかかる。そんな時代でしたね。

 ――鍋ができますね。想像もできない世界です

 村西氏:今やインターネットを開くと無修正のものが一生見ても見きれないほどの映像がありますからね。だから少々のことでは刺激されない。満たされてしまって、飢餓感、ギリギリ、ハラハラ、ギラギラがありませんね。

――日本の若い男性は「草食系」や「中世的」な子が増えている感じがしますね

 村西氏:性欲というのは2つあるんです。一つは人間の持っている本能としての性欲。もうひとつは想像する性欲です。今の情報化社会で男性は限界に近いストレスを感じて生活している。本能の性欲も減退していくんですよ。黙っていてもインポテンツになってしまう。そういう中で男が男としてあるためにはどうしたらいいか。もうひとつの性欲である想像力を武器にしていくしかないんです。

――想像力、ですか

 村西氏:エロスというのは想像する世界であるんですね。それは何かというと、落差、コントラストです。お嬢様のような顔をしながら、ぷるんと天井を指すようなバスト、くびれたウエストライン、たおやかなヒップ。脚のつけ根は使い込んで濡れて糸を引いている。この落差がいいんです。「ああ、すごく濡れてますね」「大好きなんですね」と声をかけるのですが、お顔は楚々として清純でレディーなまま。この落差がいい。エロスというのは落差なんですよ。これを頭の中で想像することで勝負していくしかないんです。

――想像力のない人はどうすれば

 村西氏:耕していくしかないですね。想像のネタは小説でもなんでもいい。わたしの場合はね、女房の妹のことを考えると、勃っちゃうんですよ。つまり、それぞれのストライクゾーンを武器にして男の沽券にかかわる部分を守っていく。それにはやっぱりAVが一番いい。そういうためにAVはあるんです。

――原点ですか

 村西氏:AVというものを味方にしていない人たちというのは無残ですね。朽ち果ててしまうよ。見るも無残なインポテンツになってしまう。女性(の性欲)は灰になるまで、といいますが、男も灰になるまでなんですよ。頑張らなきゃいけない。頑張るためには、常に新しい自分のエロのストライクゾーンを探し求めていかなきゃいけない。探し求める人しか探し当てられないんです。その手伝いになっているのが東スポですね。買ってスケベなページを見て毎日リフレッシュしていく。一番最前線のエロ情報をお届けしている。命の洗濯、止まり木なんですよ。そういう意味の社会的貢献度において東スポの意義は大きいのではないでしょうか。

 ――ありがとうございます(笑い)。「村西とおる完全版」の観客は2割が女性だそうですね

 村西氏:そうなんですよ。ネットになると半々です。女性は今セックスに関して実に貪欲です。人生を楽しむのにエロスは欠かせない。食生活やファッションのように楽しみたい。女性たちはしっかりとした考えをお持ちです。そのきっかけとして、(監督がメガホンを執った)黒木薫さんの作品は女性の性意識を大きく変えましたね。「SMっぽいの好き」が公開された年(1986年)は男女雇用機会均等法が施行された年でもあります。でも政治家や女性運動家が女性の性意識の壁を取り壊したのではございません。黒木さんのあの作品、AVが行ったのです。私たちは好きなポーズでイッていいんだ、男性の顔の上にまたがってもいいし、腰を3回転半回してもいいんだという発見がありましたね。

 ――今後はいかがでしょうか。今、71歳とのことですが、やはり現役ですか

 村西氏:そこは現役でやらざるを得ません。秘訣ですか? 自分を鍛錬し、イノベーションしていかなければなりません。自分自身が気づかないエロがあるんです。これがスケベと思っていた世界は年々変わっていく。20、30、40、50歳と全然違うから。食生活、ファッションと同じで変わりゆく自分自身のエロ志向、そういうものを探す道しるべがAVです。AVをおろそかにすると自分の人生を損なってしまう。性をとぼしめるものは、自分の生もとぼしめる。そういう格言もこざいます。ぜひ真剣に、男が男として直立するためにもAVの世界、村西とおるの世界をご覧いただきたいと思います。

――また作品を撮る

 村西氏:どういうふうになるかわかりませんが85歳をゴールにしながら生きていきたいですね。作品は自分自身が出会ったことがない女性、とびっきりの姫君との出会いで、自分の想像力が触発されれば、あるいは。ただ3000本撮ってきましたのでなかなか…。でも私でなければ撮れないものがあるのです。撮るならば村西と同じ時代に生きていて良かったと思うものを撮りたい。皆さんの道しるべとなる生き方をしないといけない。これが皆さんに対する恩返しだと思っております。