【6・12さいたまスーパーアリーナ解散コンサート・℃―ute「LastDan℃e」(6)】ハロー!プロジェクトのアイドルグループ「℃―ute」(矢島舞美=25、中島早貴=23、鈴木愛理=23、岡井千聖=22、萩原舞=21)の解散直前の心境をリレー形式でつづる連載「Last Dan℃e(ラストダンス)」第6回は中島がグループの“バランス調整役”であったことを明かし、今後のハロプロを支える後輩にエールを送る。

 私はたとえ問題が起きたとしても「メンバー内に入って、ぐちゃぐちゃやっちゃだめ」だなって、ずっと思ってました。「客観視する立場にいなきゃいけない」って行動してましたね。冷静にグループのことを見てました。

 それはライブやイベントに関することでも同じ。メンバーのことを見て「あのメンバーの、あのエピソード話面白かったから、今度のライブMCで話を振ってみよう」とか、収拾つかなくなったら「まとめないといけない」とか。だから、グループの中にいる私は「一歩下がって」いたと思います。

 もともとぐいぐい目立ちたいタイプじゃなかったというのもあると思うんですけどね。ハロプロキッズのオーディションもいとこが受けるので、ついでに受けてみようという感じだったんです。

 それでメンバーの過去のインタビュー記事を読んで申し訳ないなって思うこともありました。例えば同期に先にデビューされて、愛理が悔しいと思ってたけど、当時の私はそんなに悔しいと思ってなかった。舞美ちゃんがキッズ時代に一生懸命取り組んでいたのに、自分はそこまでの気持ちがなかったりとか。“目立とう精神”がなかったんです。何度も言いますけど、のんきなんですね(笑い)。メンバーから相談受けても「ねー悩むねー」って言って合わせてた、その場しのぎでしたね、すいません…。私自身、そんなに考える性格じゃなかったから、メンバーの考えを聞いて「あ、なるほどな。こういう考え方もあるんだ」といろいろ学ばせてもらったという感じでした。

 でも、このお仕事自体は楽しくて。引っ込み思案だったけど、ステージに立って応援されるという感覚もうれしかった。スタッフに怒られるのもうれしかった。何て言うんだろう…自分に求められているという感覚が好き。「私のことを見てくれている」んだなって。頼られるのが好き。いまでもうれしいです。

 後輩たちが辞めちゃうのって、ハロプロに入って5年とか、まあ1年とかで辞めちゃう子もいると思うんですけど、その時期って一番つらいと思う。新人で怒られて、どんどんスキルアップもすると思うけど、褒められる期間ってあんまりない。

 でも辞めちゃうのってもったいないなって思う。冷静に自分を分析できて次の夢を探せるのってすごいと思うんですけど、私も10年以上グループにいて、良い時も悪い時もすべての感情を味わった。ファンの人たちへの感謝の気持ちとか、スタッフさんたちがどれだけ私たちのことを考えてくださっているかとか。

 本当にいろいろなことが積み重なって私たちはステージに立たせてもらっているのに、早く辞めるのってもったいないなって思いますね。うん、人それぞれだとは思うんですけどね。

☆キュート=2005年6月11日に7人組グループとして結成。その後、1人加入し、8人組になるも、09年10月に現在の5人組の形となる。メジャーデビューは07年。6月12日の解散コンサート「℃―ute ラストコンサート in さいたまスーパーアリーナ ~Thank you team ℃―ute~」を全国の映画館や香港、台湾でライブビューイング開催(詳しくは公式ホームページで)。またBSスカパー!でも生放送される。