【6・12さいたまスーパーアリーナ解散コンサート・℃−ute「LastDan℃e」(3)】ハロー!プロジェクトのアイドルグループ「℃―ute」(矢島舞美=25、中島早貴=23、鈴木愛理=23、岡井千聖=22、萩原舞=21)の解散直前の心境をリレー形式でつづる連載「Last Dan℃e(ラストダンス)」の第3回はバラエティーキャラの岡井が真剣に「ハロプロのアイドルとは」を語る。

 やっぱりメンバーそれぞれの将来の幸せって心配。私は“お目付け役”になると思う。私は浮気ばっかりしているお父さんを見てるから、悪い男の見分け方を分かってる! ははは。一方で仕事は心配してもしょうがない。心配しても追い付いてこない。いただいたお仕事を大切にして、それでものにならなかったら「いままでありがとうございました」って感じ。

 思い出はやっぱり日本武道館。グループが5人になった当初「落ち目だね」という雰囲気が常にあった。デビュー当時はすごくちやほやされて、賞ももらって、子供ながらに「あ、もう有名になっちゃったな」って、そこからどん底にまでなった。

 でも、それを乗り越えての武道館はすごかった。それまでチケットが全部売れなかった会場も完売になったり、ファンも一緒に頑張ってくれた。やっぱり「結果」って大事だなって思った。結果が出はじめて、グループが1つになると、周りも1つになるし、武道館も決まった。私たちは分かりやすくて「1つになった時に強い」って。

 ハロプロの良いところか悪いところか、分かんないけど、多分、アイドルやっててつらかったことの方が多かった。15年間、下積みも長かったし、人間関係がうまくいかなくなったこともあった。本当に楽しいのはライブ中だけだったと思う。

 でも、なぜか分からないけど最後の方になるにつれて感謝が芽生えてくる。「マネジャーが代わったからダメなんだ」と変な意地が出た時もあったけど最後になるにつれて、当時、嫌いだったマネジャーさんが言っていたことが分かったりする。本当に不思議。そんな思いを後輩に引き継げたかなと思うと、多分、全然できていない。私たちは後輩に言うタイプじゃなかったから。グループが5人になって、岐路に立たされた時、私は辞める勇気がなかった。「私、辞めて、この先、何していくの」「いまから夢を探しても遅くね?」って。だから最近、卒業発表する後輩を見てると、すごい勇気があるなって。アイドルという1つの大きな夢を持って走りだしているのに、それをやめて、もう1つの夢に向かうって尊敬する。自分にはできない判断だったから。

 私が誇れることは℃―uteってほとんど休まないグループだった。体調不良で事務所からストップがかかることもあると思うけど、私は「どうせ倒れるなら、ステージで倒れた方がかっこいい」って思ってる。私のことを見に来てくれる人がいて、私が出てなかったら、何を見ていいの?って。4人だけの℃―uteなんて見せたくない。

 解散は最初で最後のことだから、どうなるんだろう。どうなんだろうなあ。実は結果に満足していたわけじゃない。もっと上を目指せたという気持ちがある。生まれ変わったらまた℃―uteになって、もう1つ上に行ってやろうって思ってます!

☆キュート=2005年6月11日に7人組グループとして結成。その後、1人加入し、8人組になるも、09年10月に現在の5人組の形となる。メジャーデビューは07年。6月12日の解散コンサート「℃―ute ラストコンサート in さいたまスーパーアリーナ ~Thank you team ℃―ute~」を全国の映画館や香港、台湾でライブビューイング開催(詳しくは公式ホームページで)。またBSスカパー!でも生放送される。