【6・12さいたまスーパーアリーナ解散コンサート・℃−ute「LastDan℃e」(1)】ハロー!プロジェクトのアイドルグループ「℃―ute」(矢島舞美=25、中島早貴=23、鈴木愛理=23、岡井千聖=22、萩原舞=21)が、解散直前の心境をリレー形式でつづる連載「Last Dan℃e(ラストダンス)」がスタート。「アイドルが憧れるアイドルグループ」としてリスペクトされ、“現役最強パフォーマンスグル―プ”と言われる彼女たちが「6・12解散コンサート」を前に率直な思いを語る。第1回は、6歳で芸能界入りした萩原舞が飾ります。

 いまの気持ちを言うと、解散の実感が湧いているような、いないような…。自分より周りの方が実感している感じ? 特にファンの人たちは目に見えて分かる。だから下手なことは言えない。ライブのMCで冗談でも「やっぱり解散しません」とか言った日には、ファンから「ふざけるなー!」ってサイリウムを投げつけられるんじゃないかって。

 解散まであと少しになって、スケジュール帳もあと1枚になった。けど、やることが多すぎて実感がない。「本当にこれが消化できるのかな」っていう気持ち。6歳から芸能界に入って、毎年、春、秋とツアーをして、それがなくなる気持ちが分からない。ライブでメンバーとかの涙を見ると「ああ、もう解散だな」って感じるんですけど、朝起きたらもう、その気持ちがない…。そんなのの連続。そんな気持ちだとあっという間に過ぎ去ってしまいそうだから、一日一日を大事にしなきゃなって。

 でも最後のさいたまスーパーアリーナが終わっても、次の日はメンバーやファンと会えるという気持ちもある。だから本当に解散を実感するのは、コンサートから1か月ぐらいたってなのかな。いままで普通にやってたイベントやコンサートをやらなくなって、初めて“℃―uteロス”になるのかも。

 私は6歳で事務所に入った。それで最初8人組だったグループから1人ずつ減って、ついに5人になった。そのタイミングでグループもいろいろあって気持ちがバラバラだったし、私も本気で辞めようと思ってた。グループに「自分の居場所」がなかったから。ちょうど高校生になるぐらいだったし「辞めるなら、いま」と本気で思ってた。親にも「℃―ute辞めて、専門学校行くから!」って、思ってもないことを言ってたぐらい。

 でもいろいろと思うことがあって、とりあえずは“辞めるのをやめた”。それから冷静に自分のことを考える時間ができて、少しずつ自分の居場所を見つけられるようになった。それでもその感情には波があって、時にはすごく落ち込んだ時もあったけど、ライブでステージに立ってる時間は本当に最高で「℃―uteでいられるなら、いまの悩みなんてどうでもいいや」って。そんな気持ちだったかな。

 本音としては「よく10年以上もグループが続いたな」って思う。私たちってみんな考え方が似てると思ったし、周りからもそう言われたりもしたけど、やっぱり全然違う。グループって面白いなって思う。でも多分、一致していることは「初めて立った武道館のステージは忘れられない」ってこと。℃―uteにとって初めての武道館は本当に特別だったから。

☆キュート=2005年6月11日に7人組グループとして結成。その後、1人加入し、8人組になるも、09年10月に現在の5人組の形となる。メジャーデビューは07年。6月12日の解散コンサート「℃―ute ラストコンサート in さいたまスーパーアリーナ ~Thank you team ℃―ute~」を全国の映画館や香港、台湾でライブビューイング開催(詳しくは公式ホームページで)。またBSスカパー!でも生放送される。