落語家の桂歌丸(79)が22日、10年間にわたって司会を務めてきた人気お笑い番組「笑点」(日本テレビ系)を勇退。6代目となる新司会者に春風亭昇太(56)が決まった。在籍メンバーの中で2番目に若い昇太が後継者となったのは、高齢化が進むメンバーの中で“長期政権”をにらんだもの。さらに今後、笑点メンバーはAKB48やモーニング娘。のようなアイドルグループ化するともみられている。

 22日の生放送で最後の大喜利を終えた歌丸から終了直前、次期司会者の指名を受けた昇太。「客席から『え~』って声が聞こえた」と苦笑し、桝太一アナ(34)から「お話を聞いた瞬間、どんな気持ちに?」と質問されると「『え~』って思いました」と答えた。歌丸は「昇太さんなりの『笑点』の司会をやってもらいたいと思います」とエールを送った。

 メンバーの中で昇太は、林家たい平(51)の次に若いだけに「格を重んじる落語界だけに、まだ司会はない」とみられていた。1966年の初回から出演してきた歌丸以外の最年長は、78歳の林家喜久扇。次に69歳の三遊亭好楽、三遊亭小遊三が続く。本命視されていたのは66歳で歌丸とのかけ合いが人気の三遊亭円楽だった。

 その円楽は「世間はオレだろう!」「(昇太は)ワンポイントだから」と昇太の司会就任をちゃかしていた。

 だが、日テレ関係者は「ワンポイントなんてとんでもない。今でも20%近い視聴率を取るオバケ番組だからね。今の状況が続く限り日テレとしては放送し続けたい。そうなると高齢のメンバーより、20年は司会をできそうな昇太さんを抜てきした、ということだろう」と指摘した。

 また、新司会者には“外部招聘”も取り沙汰されていた。「落語家の中では“笑点利権”と言われている(笑い)。歌丸さん勇退後はタモリとか伊東四朗など、外部から司会に入るという話もあったが、地方の営業などに笑点メンバー全員がパッケージで呼ばれることも多い。そういうことを考えるとスケジュール調整が難しいから、新たに外部から司会を呼ぶことはしなかったのでは」(演芸関係者)

 そもそも昇太は、BS日テレなどで放送されている「若手大喜利」で、よく司会を務めていた。実際に「笑点」の中村博行プロデューサーは、昇太に関して「若手大喜利の司会もやっていましたし、いいんじゃないかな」と司会起用もありと述べている。

「笑点」では、歌丸が司会に就任し、昇太、たい平が出演するようになった10年前から、メンバー変更は一切なかった。ただ今後は“メンバー固定”とはならない可能性が高いという。

「メンバーが高齢化している。この後の何年かで勇退していくメンバーはどうしても出てくるでしょう。今後はモーニング娘。とかAKB48などのアイドルグループみたいに『卒業するメンバーと新たに加入するメンバー』が出てくるのでは。そのとき、新旧メンバーが入り交じった中でもきちんと仕切れるのは、若手大喜利の司会もやっていた昇太しかいない、ということでしょう」(同)

 昇太司会の「笑点」は、新たなメンバーへの対応を含めて、先代円楽の約23年間を超える過去最長の長期政権をにらんだものになりそうだ。