【モー娘連載(最終回)】鈴木香音 もう一つの夢に向かいます

2016年05月25日 16時00分

グループ卒業が決まっている鈴木香音

【連載・19年目のモーニング娘。(最終回)鈴木香音】モーニング娘。‘16の日替わり連載最終回は、5月でグループ卒業が決まっている9期の鈴木香音が(17)が自身や鞘師里保の卒業などについて語ります。

【モー娘加入まで】小さいころからアイドルになりたいと漠然と考えてました。6年生の時にお母さんが9期メンバーオーディションを見つけてきてくれて、友達には内緒で受けました。

 当時の私はモーニング娘。が大好きで、基本、DD(誰でも大好き)だったんですが、一番は田中れいなさん。周りの友達に「黒髪のれいなは最高だから」みたいなこと言っちゃってる小学生でした(笑い)。加入初期のあのソワソワ感は一生忘れないと思います。

 合格発表は自宅に会社の方が来られて、家族全員で聞きました。親によれば、その瞬間、私の目がすごくキラキラしていたそうです。12歳の私はただただうれしくて、先につらいことや大変なことがあるなんて考えもしませんでした。見えていたのは夢と希望だけ。

【同期】(譜久村)聖ちゃんはハロプロエッグ出身で、何も知らない私たちに「このタイミングであいさつに行こう」とか全て教えてくれました。いろんなことを知っていたし、できたから、最初の数か月は同期というより“すごい! 芸能人だ! 芸能人だから全部できるんだ”という目で見てました。そのころの聖ちゃんは何でも知っているお姉ちゃんでしたが、今はMCの内容を一緒に考えることも多くて、一緒に作り上げる仲間という感覚です。

 聖ちゃんはしっかりメンバーのことを見ていて、「この子は最近こうだよね」とか、私が気付いてないことも気付いているんです。すごいなぁ。さすがリーダーだと思います。

 えりちゃん(生田衣梨奈)には、オーディションの時に話しかけられて、実は「知らない人が話してきた!」ってすごい怖かったんですよ(笑い)。私はビルもないような田舎から出てきて、東京は怖いところだと思っていたんです。学校では「知らない人に話しかけられても相手しないように」と言われていたから(笑い)。

 かわいいし、清楚系の人だなと思って話していたんですが、その“清楚”というイメージは、1、2時間話しただけで“違った!これはやんちゃな子だ”と気付くんですけどね(笑い)。私はクラスでは率先して話すし、送別会の色紙では90%の確率で「ムードメーカー」と書かれたタイプ。きっと同じタイプだろうな、仲良くなれるんじゃないかなと思いました。

 あの時、強い何かを植え付けられたみたいで、なんとなくまた会う気はしていたけど、こんなに毎日会うことになるとは思わなかった(笑い)。

 えりちゃんには“結局自分をアピールかい!”という痛いキャラを究めてほしい(笑い)。えりちゃんはそういうことを言ってもいい人。実はうらやましくもありました。真横で見ているのはたまにつらいけど、今後は応援する側になるから、テレビで見ています。えりちゃん推し? それは違います(笑い)。

(鞘師)里保ちゃんは最初から何でも完璧にできて、サイボーグかと思いました(笑い)。踊れる、歌える、敬語もできる、さらにご飯を食べるしぐさもきれい。同い年で同じ時間を生きてきて、なんでこんなに違うんだろう。すごいなぁと感心したものです。

 しかし一緒に生活したら、予想を大きく上回るおっちょこちょい(笑い)。抜けてるところも多くてかわいいんです。普段からとにかくよくコケる。絶対気づく段差も見落としてコケる。集合ギリギリに来て「前からいましたけど」みたいなドヤ顔する。飛行機の出発時間に起きてたり。

 ダンスパフォーマンス面では本当に助けてもらいました。わからないところは全部里保ちゃんに教えてもらって。でも生活面では私が引っ張る感じ。そのギャップが好きでした。

 9期は最初はぶつかることがすごく多かったけれど、今は言葉を交わさなくても信頼できる。加入当初のヨソヨソしかったりピリピリした感じを笑って話せるようになりましたし、4人で日帰り温泉に行ったことも。在籍年数のわりに4人で遊びに行けたのは1桁回だったけれど、こういう関係性になれたのはうれしいです。

【卒業について】今だから言えるんですが、里保ちゃんが卒業を発表したころは、私も卒業へと気持ちが固まりつつあるタイミングでした。お互いに相談することはなかったから、里保ちゃんが卒業を考えていたことは知りませんでした。

 生活面では私が里保ちゃんのことを気にしていたので、ちゃんと幸せになる選択をしているのかとか、純粋に将来が気になりました。焦りと心配から、私は里保ちゃんを質問攻めにしていました。

 でも話したら、すごく冷静なんです。留学とかしっかり将来を見据えていた。話しているうちに私も自分の向かう先をきちんと固めなきゃと思いました。だから里保ちゃんの卒業は落ち着いて見送れました。

 私が卒業を決めたのは、単純にもうひとつの夢をかなえたいと思ったからです。昔からアイドルになりたいという夢と、もうひとつ、現実的な夢として福祉関係のお仕事をしたいというのがありました。その夢に向かう時期が来た、という気持ちになってきたんです。

 モーニング娘。で歌って踊っていると、自分が楽しいだけでなく、ファンの方も笑顔になってくださる。その笑顔を見てまた私も幸せ。そんないい連鎖を経験して、たくさんの幸せをいただいて、私が人のためにできることって何だろうと考えるようになったんです。

 歌って踊ってファンの方々の笑顔を見ることができたのは、この5年間の宝物です。卒業までの残り、この幸せをかみしめながらステージに立っていたいです。

☆すずき・かのん=1998年8月5日生まれ。愛知県出身。9期メンバーオーディションに合格し、2011年1月2日からモーニング娘。に加入。「モーニング娘。’16コンサートツアー春〜EMOTION IN MOTION〜鈴木香音卒業スペシャル」が5月31日に日本武道館で行われる。5月11日に最新シングル「泡沫サタデーナイト!/The Vision/Tokyoという片隅」発売。