ヤマカン直撃 新作は「今の思いが全部詰まった“遺言”みたいな作品」

2014年01月09日 17時11分

物語の中心・島田真夢はかつてアイドルグループのセンターだったが、ある事情により脱退した過去を持つ (C) Green Leaves/Wake Up, Girls!製作委員会

 「アイマス」「ラブライブ」を意識し奇をてらわない。僕らも直球勝負

 ──同じアイドルを題材とした「THE IDOLM@STER」、「ラブライブ!」と差別化した部分などはありますか

 

 山本:ないです。僕らは後発なので謙虚にいきます。ぶっちゃけて言うと一番は狙えないです。既に先は越されているので。僕らは僕らでアイドルの形を模索はしますけど、ことさらにアイマスとは違う、ラブライブとは違うと強調するつもりはありません。あまり奇をてらうよりも、僕らもど真ん中、直球勝負をしたい。「『アイマス』『ラブライブ』と一緒じゃないか」と言われたら「一緒でいいですよ」と。ある種の開き直りというか。ただ2番手だろうが3番手だろうがアイドルを見たいという思いは変わらない。ほかと違いがないから見ないということはないと思うんです。

 

 ──アイドルといえば楽曲も大事です。WUG!の歌にはどのように関わっているのですか。また発注に際し、何かこだわりはありますか

 

 山本:今回は作品の劇中歌なので全部ディレクションしています。発注に際しては「アニソンにはしない」と神前暁には言っています。そこがアイマス、ラブライブとの唯一の差別化ですかね。僕らはアイドルソングを作っています。

 

 ──アイドルソングとアニメソングの違いはなんでしょう

 

 山本:楽曲の作り方や温度感が違います。いわゆるアニソンはキャラの声にしなければいけない。I-1(劇中に登場するアイドルグループ「I-1クラブ」のこと。福原香織ら人気声優が演じる)にも「地の声で歌ってくれ」「キャラの声はいらない」と言って、素で歌ってもらっています。今回はアニソンとして受けやすい要素はなるべく使わず、ポップスとして成立させている。

 

 アニソンは歌詞に意味がなく五感に働きかけるものも多いけど、やっぱりアイドルソングはメッセージ性があるので、僕らはそこを盛り込んでいます。つんく♂さん、ヒャダインさん、AKBの井上ヨシマサさん的な要素もいろいろいただいていて、それらを物語の必然性の中に閉じ込めています。作品を見ていただいたらわかるんですけど、物語の展開によって楽曲の作り方が変化したりします。

 

 ──劇中のライブシーンについてはどうですか。アイドルの一つの要素です

 

 山本:ライブシーンにはあえてこだわらないようにしています。技術としては「アイマス」や「ラブライブ」でどんどん進化していますから。僕はかつて「涼宮ハルヒの憂鬱」のエンディングなどで手書きで粛々とダンスさせてましたが、もうローテクだと思っているんですよ。でも僕にはこのスタイルしかないので粛々とやるだけです。だからあまりダンスを売り物にはできないですね。むしろ物語の厚みを見てほしい。アイドルは物語です。実際のアイドルもパフォーマンスが凄くて売れるわけではないじゃないですか。そこで勝負するのは何か違う。ダンスだけだとK-POPアイドルが第一になってしまう。手を抜くわけじゃないけどダンスをフィーチャーするのはあえて避けています。

 

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