“元祖鉄道アイドル”木村裕子「自殺志願者に間違えられた」

2016年10月30日 10時00分

“撮り鉄スポット”でポーズを決める木村裕子

“鉄道オタク”といえば昔は男しかいない世界だったが、最近は女性の進出が目立つなど、ファンの裾野が広がっている。そこで本紙は、“元祖鉄道アイドル”木村裕子(34)が日本全国の面白い鉄道や駅を紹介する新連載「日本全国おもしろ鉄道」を11月1日からスタート。それに先立ち、木村に鉄道の魅力や新連載への意気込み、さらに所属事務所「オフィス北野」の顔であるビートたけし本紙客員編集長(69)への思いなどを聞いた。

 ――いつから鉄道好きに

 木村:子供のころから好きだったけど、当時は女の子が鉄道好きなんて理解されなかった。鉄道の本を読んでたら「女のくせに」って言われたり。プラレールが欲しくても、女の子だからリカちゃん人形にされる。だから鉄道好きは、隠したまま大人になりました。鉄道に携われる仕事がしたくて、20歳の時に車内販売員になった。出身地の名古屋駅から出てる特急列車で「ホットコーヒーにお弁当」なんて言って。すごく楽しかったです。でも売り上げは日によって全然違う。コーヒー1杯すら売れない日もある。怒られるから、自分でお弁当を買ったりしました。

 ――芸能界入りは

 木村:車内販売員で100万円ためて、東京のグラビアアイドルの事務所に入ったんです。事務所は、女の子が「鉄道好き」と明かさない方がいいという考えだった。でも「鉄道ファンの女性タレントがいないなら、自分がやった方がいい」と思った。事務所を辞めて“鉄道アイドル”と公言したら、仕事が一気に増えました。

 ――フリーで活動

 木村:仕事の依頼とか全部自分で受けていた。仕事で全国各地の鉄道に乗るようになったんですけど、いろんなところを見ていくうちに地方の活性化などをやりたくなった。それだったら全部見ようと思って、8年前に「日本国内鉄道全線完乗」を始めたんです。ちょうどそのころに今の事務所に入って、自分でやってた仕事をマネジャーさんに任せられるようになって時間もできたので。

 ――達成までに8年かかったとか

 木村:自分でルールを決めて、仕事で乗った分はカウントしないことにした。なかなか行けない地域もあって、苦労したのは山口県のJR小野田線とか。雀田―長門本山の間が、朝2本と夕方1本しか走っていなくて、なかなか乗る機会がない。あと山形県にある及位(のぞき)って駅が山の中にある無人駅。しかもケータイも圏外。電車が遅れても全く分からないので、事前にツイッターに「1時間後に更新がなかったら、警察に連絡してください」と書いてから駅に行きました。

 ――1人で行くの

 木村:はい。私、変なところばかり行くから、一緒に行く人に悪いので。宿泊も1000円くらいのところに平気で泊まるし。彼氏ができたとしても、旅に行くなら現地集合現地解散がいい(笑い)。そしたら好きな電車に乗って行けるから。でもそんなんじゃ、お付き合いしてくれる人いないでしょうね…。女性1人で乗ってると、自殺志願者に間違えられたこともある。真冬の富山で日本海を見ようと思って雪の中、傘も差さずに歩いてたら、おじさんに「どこ行くんだ!」って止められました。

 ――所属事務所の顔であるビートたけしさんは、本紙客員編集長

 木村:その東スポさんで連載できるのはホントにうれしい。ただ、たけしさんとの接点はほとんどない。1回、ごあいさつしたことがあるけど、多分たけしさんは覚えていないでしょう。一度はご一緒したいけど、たけしさんは電車に乗らないでしょうね(笑い)。

 ――この連載でやりたいことは

 木村:今の日本、都市部以外はほとんどが赤字路線。でもそういう路線も知恵を絞っていろんな企画列車を走らせたりしてる。そういう「おもしろ鉄道」を紹介したい。この連載を読んで1人でも乗りに行ってくれたらうれしいですね。

☆きむら・ゆうこ=1982年8月17日生まれ。愛知県出身。オフィス北野所属の元祖鉄道アイドル。JR、私鉄、地下鉄、ケーブルカー、モノレールなど、日本全国にあるすべての鉄道を全線乗車する「日本国内鉄道全線完乗」を2015年に達成。乗車した走行距離は約2万8000キロ。