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デビュー30周年T-BOLANボーカル・森友嵐士が“第2章”を語る 23年ぶり全国ツアー中


熱っぽく語った森友

 デビュー30周年を迎えたカリスマロックバンド「T-BOLAN」が現在、全国ツアーを敢行している。バンドとして全国を回るのは実に23年ぶりだが、なぜ今なのか? それは、ただ節目の年だからではない。2015年にベースの上野博文(53)がくも膜下出血で倒れ、奇跡的な復活を遂げるという経緯があった。そこで本紙は、ボーカルの森友嵐士(52)に“第2章”と位置づけられたバンドの再始動について話を聞いた。

 森友は開口一番、こう言い放った。

「まだ前半だけどツアーは順調だよ。まさか4人でステージに立てるとは思ってなかったからね。パーティーやっている感じだね」

 9月29日の埼玉から来年3月31日の長野まで全23公演。23年ぶりのライブに、うれしさを隠し切れない。もちろん、満席とはいかない公演もある。2階席、3階席がガラガラということもあるが「それでいい」と言う。

「昔のオレなら空席にネガティブなイメージを持ったかもしれない。まあ、昔は空席なかったけどさ(笑い)。でも、今は違う。みんなの楽しそうな笑顔がオレたちにとって、どれほど大きな喜びだったことか。それがすごく大きな変化と実感するよ。そして、そう思える自分は『いいじゃん』って肯定したくなるんだ」

 波瀾万丈のバンドだ。1991年に「悲しみが痛いよ」でデビューすると、同年リリースした「離したくはない」が異例のロングラン。以後、「サヨナラから始めよう」「じれったい愛」「Bye for Now」「マリア」など怒とうのヒットを連発。95年までに1700万枚を売り上げたといわれる。

 一方で、森友が心因性の発声障害を発症。10年以上も闘病生活を送り、バンドは解散や休止を繰り返した。そんな中、上野がくも膜下出血で死線をさまよう。何とか奇跡的に復活を遂げて昨年、バンドが再始動すると、今年10月には新曲「Re:I(レイ)」をリリース。今回の再始動をバンドは第2章と位置づけている。

 もっとも、当初は再始動する予定はなかったという。

「『T-BOLAN』は実家なんだよね。確かに、いつでも帰れるし、居心地がいい。楽なワケ。でも、90年代のオレたちと何が違うの?という疑問があった。もう一回やるには集まる理由がなくてはならないでしょ? メンバー一人ひとりが外に出て挑戦して力をつけて戻る必要があると思っていたんだけど…」

 きっかけをつくったのが上野だった。倒れて発見されるまで5日間。死んでもおかしくない状況で、何とか命を取り留めた。それでも、当初は意識不明。回復しても脳に障害が残る可能性もあった。

「その時、思ったんだよね。家族が倒れたら駆けつけるだろって。30年付き合ってきたメンバーが命からがら戻ってきたんだから、やるしかないなと。信念なんかよりもね」

 意識の戻った上野に「何をやりたい?」と聞くと、戻ってきた答えは「ライブ」。森友に迷いはなかった。今では、上野は全曲とはいかないまでも、ステージに立ってプレーすることができるまでに回復。来年にはアルバム制作も予定されるなど、ボルテージは高まっている。

「新曲には『励ます』という意味での『励(れい)』という思いが込められている。オレたちが上野を励まし、バンドが始まると、今度はオレたちがファンから励まされている。循環しているんだ。面白いよ」

「T-BOLAN」第2章は、家族の絆を実感する瞬間かもしれない。

☆もりとも・あらし 1965年10月30日、広島県生まれ。ドラムの青木和義とバンド活動を開始した後、ベースの上野、ギターの五味孝氏が加入し、「T―BOLAN」を結成。ソロを含めて精力的な活動を行う。多趣味でも知られ、陶芸、書道、釣りなどをたしなむ。

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