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怪死“紀州のドン・ファン”愛犬イブの死骸は何を語る?最後に「エサ」誰が


急死した愛犬のイブ

“紀州のドン・ファン”こと和歌山県田辺市の実業家・野崎幸助氏(享年77)が変死した事件で、本紙昨報のように和歌山県警は7日、野崎氏の死去の18日前に死んだ愛犬・イブの死因などを調べるため、埋葬された自宅庭で死骸を掘り起こし、外部の専門機関に運んだ。イブの死骸から野崎さんと同様に覚醒剤が検出された場合、捜査はどう進展するのか。

 野崎邸に20人を超える県警の捜査員と鑑識が入ったのは、7日午前8時ごろのこと。同9時、スズメの鳴き声や車の往来の音のほか、庭から「ザクザク」と地面を掘る音が聞こえてきた。妻のSさん(22)立ち会いのもと、警察が捜索で狙うのは野崎氏が亡くなる18日前の5月6日、急死した愛犬イブの亡きがらだ。

 野崎氏が経営していた会社の従業員は「死ぬ前はもがき苦しみ、社長に抱えられても暴れた」と振り返る。

 県警は、急性覚醒剤中毒で死亡した野崎氏と同様に、イブの死も覚醒剤による可能性があるとみて、異例の“墓掘り”を実施したのだ。掘り起こされた死骸は外部専門機関で鑑定を受けることになった。

 犬の生態に詳しい研究者は「犬は汗腺がないため、人間のように覚醒剤の作用で脂汗をかくこともない。もし、覚醒剤を投与されていたのなら、解毒して排せつする機能が弱い。ただただ苦しんで死んだと思う」と話す。

 動物と薬物の関係に詳しい北海道大学大学院獣医学研究科の池中良徳研究員(毒性学)は本紙に「一般論ですが、犬も人間も薬や麻酔など同じ物を使用する場合があり、作用は基本的に同じと考えられる」と解説する。

 死後約1か月たった犬の死骸から覚醒剤の痕跡を見つけられるのか。

「肝臓機能が正常であれば、覚醒剤は代謝されて胆汁(糞)や尿から排せつされるが、致死量を超えた過剰投与で急性中毒になれば、死んで代謝されずに体内に残ります」(池中氏)

 野崎氏の胃からは多量の覚醒剤が検出された。何者かがイブを使って犯行前の“実験”をしていたのなら、検出される可能性は高い。イブの死骸から覚醒剤が検出された場合、野崎氏の遺体から検出された覚醒剤と照合され、濃度や成分が同じであるか否かが分かる。その検証は「警察なら得意。警察は5~6時間もあれば判断できる」と池中氏。その結果、入手先のルートが同じかどうか判断できる重要な材料となるわけだ。

 次に警察が注目するのは、誰がイブに覚醒剤を摂取させたかだ。普通に考えれば、身内に疑いの目が向けられる。そうなると必然的に、飼い主の野崎氏か妻Sさん、家政婦のAさんの3人。イブを溺愛していた野崎氏が覚醒剤を与えることは考えにくい。Aさんは、イブが死んだときに野崎氏に「何を食わせたんだ!」と疑われ「社長とケンカになった」と話している。このAさんのイブに対する神経の使い方については、野崎氏の会社の別の従業員がこう話す。

「社長は、家を空ける時も家政婦さんに10分おきくらいに『イブちゃんは?』『声聞かせろ』って電話かけてたから、家政婦さんは『イブを守らないと。何かあったら私はただじゃ済まん』くらいの感じで、世話に気を使ってました」

 一方、Sさんがイブの世話をしていたという話も聞かれない。さらに別の従業員はこんな興味深い話をしている。

「社長は奥さんより犬をかわいがってた。犬を会社に連れてきた時は『イブちゃん、イブちゃん』ってヒザの上に乗せたり、ずっと片方の腕で抱えたりしてた。犬も奥さんにヤキモチ焼いてるような感じで、社長の後を追い掛け回して、ずっとくっついてた」

 イブがSさんになついていなかったとすれば、エサをやる関係ではなかったかもしれない。果たしてイブの死骸は何を語るのか。

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