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西城秀樹さん追悼秘話 意識不明のベッドで呼びかけにポロリ最後の涙


後楽園球場でのコンサートで熱唱する西城さん(1978年7月)

 歌謡界「新御三家」の一人で、約140万枚のセールスを叩き出した1979年の「YOUNG MAN(Y.M.C.A.)」など数々のヒット曲で知られる歌手・西城秀樹(本名・木本龍雄=きもと・たつお)さんが16日、急性心不全のため横浜市内の病院で死去(享年63)したことが17日に分かり、日本中が悲しみに暮れた。脳梗塞を2度発症して後遺症が残る満身創痍の体を押してステージに上がった“最後の東京公演”、そして“植物状態”になった病室のベッドでこぼした“最後の涙”――。本紙だけが知る追悼秘話を一挙公開する。

 郷ひろみ(62)、野口五郎(62)とともに「新御三家」として一世を風靡した秀樹さん。晩年は、病魔との凄絶な闘いの連続だった。

 妻・美紀さんと結婚した2年後の2003年。歌手としても脂が乗り切り、公私に充実していた48歳の秀樹さんは、ディナーショーを開催した韓国で1度目の脳梗塞を発症する。当時は衝撃を呼んだが、これまで報道されなかった舞台裏があった。事情通の証言。

「実は現地のゴルフ場で水道の水をがぶがぶ飲んだ後、程なくして『あぁ…具合が悪い…』とこぼすようになった」

 発症後、言葉をうまく発声できない軽度の言語障害が残る事態になったが、体調を崩したきっかけは、意外にも現地の“生水”だったという。

「もちろん生水だけでなく、心身ともに疲れがたまっていたことが前提にありますが…」(前同)

 その後、水にこだわりを持つようになったのは有名な話だ。

 懸命なリハビリを重ね、復帰してステージに上がったものの、再び病に襲われる。2度目の脳梗塞は56歳だった11年。右半身まひの後遺症が残った。

 それでも生涯歌手を全うすべく、ステージにこだわり続けた。

 前出の事情通によると秀樹さんは、担当医から「コンサートはNG」とドクターストップをかけられ、周囲のスタッフからも止められていたが、本人は「マイクを取り上げられたら、どうかなりそう」と漏らしたという。「リハビリも兼ねてコンサートをやりたい」と悲壮な執念をもって訴えたため、担当医は「リハビリという意味合いであれば…」とゴーサインを出したという。

 コンサートでは、共演者で親交が厚かった歌手の山本リンダ(67)、あべ静江(66)、今陽子(66)らにサポートされながらマイクを握り続けた。

 東京での最後の公演は昨年10月、中野区の中野サンプラザホールだった。「足元がよたよたの状態。ステージに設置されたテーブルに手をかけ、寄りかかって体を支えるようにして懸命に立っていた」(関係者)

「YOUNG MAN(Y.M.C.A.)」などを“熱唱”。実際は口パクだったかもしれないが、そんなことはどうでもいい。満身創痍の身でありながら、命がけでステージに立ったことに秀樹さんの生きざま、そして歌手・西城秀樹としての価値がある。MCになると、トークしようにも「あぁ…」と声にならない。騒然とする会場。すぐさま方々から声援が飛んだ。「ヒデキ、頑張れ!」。ファンの激励に笑顔で応えたという。

 同公演の楽屋では、赤いソファにどっかり腰を下ろしたまま動けない。もちろん会話は不可。本紙が入手した楽屋の写真では、ブルーのジャケットに水色のシャツ姿の秀樹さんの表情には、まったく覇気がないように見える。

 最後のステージとなった栃木・足利市民会館で4月14日に開催された「同窓会コンサート」を経て、健康状態は良かったが、容体が急変したのは同月25日、家族でだんらん中だった。意識を失って倒れ、横浜市内の病院に緊急搬送された。
 入院後も、意識は戻らない。病室で見舞った知人は沈痛な面持ちで振り返る。

「心臓は動かず“植物状態”だった。ただ、ふと『ヒデキ』と声をかけた時、突然涙をポロッと流して…。あり得ないけど、今思うと、あの瞬間だけは意思疎通ができたのかもしれない」

 死去の一報が日本中を駆け巡った17日のうちに、東京・青山葬儀所で25日に通夜、26日に葬儀・告別式がそれぞれ営まれることが明らかになった。訃報が流れた日にすでに葬儀日程が確定していたのは珍しい。死期を悟った関係者が家族をおもんぱかり、水面下で“終活”を始めていたという。

 63歳の別れはあまりに早い。ヤングマンよ、永遠に――。

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