演歌歌手・北島三郎(81)の弟で芸能事務所ワークス・ディ・シィの大野佶延社長(74)が29日、体調不良で救急搬送される事態が起きた。

 大野社長はこの日、都内で行われた同事務所所属の演歌歌手・松川未樹(36)のデビュー10周年記念感謝祭コンサート会場にいた。

 松川はファンや関係者など計500人を前に、2007年のデビュー曲「おんな浜唄」や10周年記念曲「凛と立つ」など26曲を熱唱。「歌手としてはまだ10年だが、いろんなことを勉強しながら、先輩方の背中を見ながら、歌手として人間として、いろんなことを吸収して成長できればいいなと思っております」と誓いを新たにした。

 大野社長に異変が見られたのはコンサート終了後だった。松川の呼びかけに反応を見せず、意識もなくなりグッタリした様子を見せたため、ただならぬ事態を察知した松川は「救急車!」と叫ぶ。ほどなくして、東京消防庁の救急救命士など4、5人が到着した。

 大野社長は次第に意識を取り戻し、救命士の問診にも言葉を発して応じる。「みんな気を使ってるじゃん」と心配する事務所関係者、レコード会社関係者をなごませ、ストレッチャーに乗せられ運ばれる際は「“旅行”に行ってくるわ」と笑わせた。

 関係者によると貧血で、体調に問題はない。松川は「朝から(コンサート会場の設営など)働きづめで疲れたんでしょう」と気遣い、「大事に至らずに良かった」と胸をなで下ろした。

 古希を超えた体で奮闘してくれる“ボス”のためにも、松川はヒット曲を飛ばして恩返ししたいところだ。