NHKは24日、大みそか恒例の「第66回NHK紅白歌合戦」の曲順を発表し、松田聖子(53)が最終歌唱者「大トリ」を2年連続で務めることが決まった。といっても、今年の“主役”は白組トリの近藤真彦(51)を筆頭に、史上最多の7組を送り出すジャニーズ事務所。毎年の光景ながら、最後までジャニーズに翻弄される紅白になりそうだ。

 紅組司会を綾瀬はるか(30)、白組司会を「V6」の井ノ原快彦(39)、総合司会を有働由美子アナウンサー(46)、そして黒柳徹子(82)が務める今年の紅白歌合戦。

 大トリと目され、19年ぶり(10回目)にカムバックした近藤は白組のトリ。大トリの大役は2年連続で聖子が務めることになったが、なぜ近藤ではなく聖子になったのか? 事情を探ると、批判を避けようとするNHKの絶妙なサジ加減が透けて見える。

「大トリを近藤という話も当然ながらあったのですが、それだとまさに“ジャニーズ紅白”。大先輩の近藤が歌う『ギンギラギンにさりげなく』を1人で歌わせるわけにはいかないので、SMAP、V6、TOKIOら後輩たちが笑顔で取り囲むシーンになるでしょう。さらに、デビューのころから近藤を見守ってきた総合司会の黒柳も温かい目で見つめる。もし、紅白のフィナーレがそんな光景で終わったら…『ジャニーズだけでやってろよ』と批判されるのは目に見えてますからね」(レコード関係者)

 本紙が報じたように、NHK側には当初、SMAPを大トリに据えようという思惑があったようだが、これもジャニーズの派閥争いによって混迷することになったという。

「一般視聴者なら大トリ・SMAPと考えるでしょうが、ジャニーズ事務所としては大先輩の近藤をSMAPの“前座扱い”にするわけにはいかない。しかも、ジャニーズ内では外様であるSMAP育ての親で敏腕マネジャーのI女史は、紅白でSMAPか“キムタク”こと木村拓哉を司会にしようと動き、V6の井ノ原を推す次期社長のジュリー副社長と暗闘を繰り広げた。事務所的にもなおさら、SMAPを大トリにさせることはできない」(前同)

 そんなジャニーズ側の都合で割を食った格好になったのが、今年をもって紅白卒業を宣言した“大御所”森進一(68)だ。

 48回目と史上最多の連続出場となる森は「今年で歌手生活50周年。この区切りの良い年を最後のステージとして、紅白歌合戦から身を引かせていただきたいと決意したところです」と明かし、NHKも紅白の公式ホームページで「残念な思いがありますが、そのご決断を重く受け止め、森進一さんの紅白歌合戦・最後のステージを盛り上げていきたいと思っております」とつづったほどだった。

「北島三郎は2013年に紅白卒業宣言し、大トリで締めくくった。北島には及ばないにしても、森も白組のトリを4回、大トリも5回務めてきた実績もある。一般視聴者が『近藤じゃないでしょ』と思うように、ジャニーズの力関係さえなければ、大トリでも良かったと思っている業界関係者は多いですよ」(前同)

 司会者から出演者、そして大トリまで…今年も“ジャニーズ紅白”だったようだ。