大みそかのNHK「紅白歌合戦」の司会者が人選混迷の末に数日中に発表されるが、出場歌手をめぐってもNHKや所属事務所、レコード会社間で混乱が起きているという。一歩間違えれば40%を大きく割り込む歴史的低視聴率となりかねないだけに「例年以上に人選に苦慮している」(NHK関係者)といい、大物の落選情報も聞こえてきた。

 総合司会としてタモリ(70)に白羽の矢を立てては断られ“卒業生”の北島三郎(79)にも白組司会として起用しようとする動きまであった司会のキャスティングについては、本紙スクープ通り紅組に綾瀬はるか(30)、白組にV6の井ノ原快彦(39)、総合司会に有働由美子アナウンサー(46)の3人が近く発表記者会見に臨む見込みだ。

 その後、今月末に発表される出場歌手をめぐってもいまだ混乱が続いているという。

「昨年は中森明菜という目玉を持って来れたんですが、今年はどうでしょう。何とか出場してもらえないかと願ってやまない山下達郎・竹内まりや夫妻には、首を縦に振ってもらえなかったともいわれていますし、北島三郎さんがいなくなったいま、北島さんを尊敬してやまない松山千春さんが出場に動くとも考えにくい。NHKは井上陽水さんにも出てほしいとは思っているでしょうが、一度、タモリさんとセットで名前が報じられ、ああいう出方をすると、余計にかたくなになる人が陽水さんともいわれていますから、厳しいでしょう」とはある音楽関係者。

 それでも例年と多少の入れ替えは起きるともいわれている。注目は大物歌手の落選だ。

「今の紅白スタッフ陣は、特に若い人に見せたいという思いを強く持っているといわれています。特に演歌歌謡曲には厳しい采配を振るとみられ、固定メンバーの入れ替えをしようと画策している。中でも常連歌手の森進一さんが危ないといわれています。ここ数年はヒット曲もないので致し方ないでしょう。レコード会社としても森さんが切られるなら、何とか新たな歌手を投入しようとしている。それが若手イケメン演歌歌手の山内惠介です。昨年も有力視されていましたが落選し、今年こそは、という思いも強いのでは」(同関係者)

 昨年まで47回の出場回数を誇る森が紅白の舞台から姿を消すとなれば、年配層の視聴者を中心に多少の影響は出そうだが、それも時代の流れか。

 さらに、目玉としてはシャ乱Qのメンバーで音楽プロデューサーのつんく♂(47)の起用だ。「声帯を摘出したと告白したのが今年4月。“つんく♂企画”は内定ともいわれています」(同)。声を失って初めて出た音楽番組がNHK「SONGS」。その際にはTOKIOの長瀬智也(37)が桜庭裕一郎名義でリリースしたつんく♂作詞作曲の「ひとりぼっちのハブラシ」を歌い、クリス・ハート(31)がシャ乱Qの「ズルい女」を歌った。つんく♂出場となれば、プロデュースしたモーニング娘。♂の復帰もあり得るともいわれる。

 他に注目されるのが、今年、精力的に活動している「X JAPAN」といわれる。

「1997年以来の出場があるのではないかとささやかれています。来年は20年ぶりのアルバムをリリースし、ドキュメンタリー映画も公開予定ですし、紅白出場から来年への活動につながる図式を描いていてもおかしくない」(同)

 デビュー35周年の近藤真彦(51)の復帰、大河ドラマ「花燃ゆ」にメンバー10人を女優として起用した乃木坂46、「あったかいんだからぁ」が今年話題になったお笑いコンビ・クマムシの初出場の可能性が高いともいわれている。昨年の中島みゆき(63)、中森明菜(50)のような目玉も今年は不在ともいわれた紅白だが、どんなサプライズがあるのか。