【東スポ音楽館】演歌歌手・坂本冬美が25日に1年半ぶりとなるシングル「酔中花(すいちゅうか)」(作詞・吉田旺/作曲・徳久広司)をリリース。35周年を終えてスタートを切る坂本の新たなチャレンジとも言える一作となっている。

 ――新曲はどんな作品ですか

 坂本「愛してはいけない人を愛してしまった女性の心を描いた作品です。本当は一緒にいたいけれど、これ以上求めてはいけない、一緒にいてはいけないという、はかなくて切ない女性像ですよね。私の中では昭和のスナックやクラブにいる女性が何となく見えてくるんです」

 ――レコーディングはいかがでしたか

 坂本「この曲は『めめしくて』というフレーズが1番から3番まで出てくるんですが、徳久先生から言われたことが『めめしい女は、自分でめめしくとは言わないよ』と言われたんです。つまり、どこか割り切った女性でもある。だから、最後のフレーズが『酔中花』で終わるんですが、その『花(か)』の部分を重くならないように明るく歌ってと言われたんです。ただ、その部分が苦労しましたね」

 ――演歌作品としては「俺でいいのか」(2019年)以来、約3年ぶり

 坂本「一昨年、桑田佳祐さんに『ブッダのように私は死んだ』を書いていただきましたが、今年は演歌に戻りましょうとなったんです。この『酔中花』は女唄なのですが、レコーディングの時には男唄もあったんです。どちらにしようかと考えたときに、『ブッダ――』からの切り替えを考えて、女唄のほうが入りやすいだろうと、この曲を選びました」

 ――今までの冬美さんの楽曲とはちょっと雰囲気が違うようですが

 坂本「切なくて、でも、かわいくて、甘えたような声で歌っている感じですが、こんなふうに歌うのは私にとっても初めてなんです。主人公になりきって、思いっきり演じている部分はあります。こういう歌い方をしたのはシングルでは初めてですし、この楽曲に似た作品は今までにないかも。そういう意味では36年目の新たなチャレンジかなと思ってます」

 ――ユーチューブの公式チャンネル「冬美チャンネル」も順調

 坂本「おかげさまで2月に登録者数が10万人を突破したんです。3月末くらいにユーチューブからシルバーの盾をいただきました。動画を楽しみにしてくれるファンの方も多くなってきました。コンサートなど直接、ファンの方とお会いできるのはまだまだ難しいですが、ユーチューブの方も頑張っていきます」